地域での活動レポート

「メラウーキャンプ教育支援の会」

中国・四国2021/08/20
  • 地域活動

◆きっかけはミャンマーでの民主化運動「同じ仏教徒として、自分にできることを」

 備後教区三次組西善寺(広島県三次市)の小武正教住職が代表を務める「メラウーキャンプ教育支援の会」は、ミャンマーから追われた人々が暮らす難民キャンプの学校運営を支援しています。

 ミャンマー国境沿いのタイ山岳地帯には、ミャンマーの軍事政権から追われ、一時避難を余儀なくされる15万人超が暮らす難民キャンプが点在します。キャンプには、学校も作られ、小学生から高校生までの子どもたちが教育を受けています。「メラウーキャンプ教育支援の会」は、その一つであるヤウンニーウー学校(タイ・メラウーキャンプ)への教育支援に取り組んでいます。

 きっかけは、2007年9月に起きたミャンマーでの民主化運動。国民が平和に暮らせるためにと運動の先頭に立つミャンマーの僧侶から助けを求めるメールを受け取った小武住職。「同じ仏教徒として、何かせずにはいられなかった。多くの人が虐げられていることを知り、自分にできることを」と、10月に広島市で学習会を開きました。そこには、ミャンマー難民のココラットさんが参加しており、住む所を奪われた多くの難民の窮状を訴えました。そして、「難民キャンプの学校運営には年間300万円がかかる。キリスト教徒が多いキャンプには海外からの援助はあるが、仏教徒が多いキャンプには支援が届かない。現地を訪問し、現状を見てほしい」という声を聞き、その場で賛同した僧侶や門信徒、市民で会を立ち上げました。子どもへの支援を行うことを決め、支援先はココラットさんが知るメラウーキャンプとなりました。

 翌年2月には、集めた支援金を携え、初めて現地を訪問。発電機、パソコンなども届けました。ヤウンニーウー学校には、小学生から高校生までの600人が学んでいます。以来、毎年2月にスタディーツアーを続け、寄せられた支援金を現地に届け、子どもたちとの交流を行ってきました。

 しかし今年は、コロナ禍で現地訪問を初めて中止、支援金は送金しました。さらに2月1日には軍事クーデターが起きました。小武住職は「子どもたちの笑顔が、不安や恐怖で消えていないだろうかと心配でたまらない。『仏教徒として武器を持ちたくない』と心の内を語ってくれた青年はどうしているのか。川を隔て対岸に見るミャンマーへ、いつか帰りたいと希望を抱いていた大人たちもますます不安が募っていると思う」と懸念します。

◆「母国に帰れる日まで」

 「メラウーキャンプ教育支援の会」は、キャンプの様子を写した写真パネル展も行っています。会員の高橋了融さん(岡山県笠岡市・地福寺住職)は「本山の『子どもたちの笑顔のために募金』からの支援金も大変ありがたい。クーデターで避難民は増えていると聞く。さらなる支援の輪を広げたい」と意気込みます。

 小武住職は「人間同士の対立は、『共に生きる』とは何かと私自身に問われているように思う。ヤウンニーウー学校にはさまざまな民族の子どもたちが一緒に学んでいる。お互いを認め合い、受け入れる社会のあり方をこの学校から学んだ。みんなが仲良く暮らせる世の中になることを願い、子どもたちの教育に期待を寄せている。ミャンマーの人々が帰国できるまで、支援を続けていきたい」と語ります。

 

問い合わせは小武住職 TEL:0824-63-8042

E-mail:odake@orange.ocn.ne.jp

 

※『本願寺新報』(2021年7月20日号)に同内容を掲載しています。