地域での活動レポート

奈良教区三山組 フードレスキュー隊

近畿2021/11/26
  • 地域活動

◆寺、門徒からの食品を子ども食堂などへ

 奈良県橿原、桜井両市の27ヵ寺で組織する奈良教区三山組(弓場洋子組長)は、SDGs(持続可能な開発目標)の理念「誰一人取り残さない」の実践として、2021年3月から食料支援活動「フードレスキュー隊」を展開しています。

 組内の寺院や門徒に募ったレトルト食品や菓子などを3ヵ月に1回集め、橿原市(社会福祉協議会)と桜井市(子ども食堂と児童養護施設)へ交互に届けています。

◆寺院のつながり生かしSDGsを実践

 レスキュー隊は、新型コロナウイルスの影響で組の活動も停滞する中、人の密を避けながら、寺院のコミュニティーを生かして、貧困家庭の支援と食品ロスの解消(SDGs17目標の「1.貧困をなくそう」「12.つくる責任つかう責任」)につなげようとスタートされました。弓場組長は「きっかけは、ご門主がご親教でSDGsに触れられたこと。『阿弥陀さまのおはたらきの中で、自己中心的な身であるということを知らされている私たちであるからこそ、その生き方は、社会の課題に取り組み、少しでもそれを良くする方向に向くのではないでしょうか』と示されたことに心動かされた」と語ります。

 20~40歳代の住職、衆徒5人が実動の〝レスキュー隊員〟として活動を牽引します。チラシや組仏婦の研修などで食品の提供を呼びかけ、隊員が各寺を巡回して集めます。3回目となった2021年10月1日は桜井市・光専寺の本堂に集めたレトルト食品や乾麺、米、菓子や調味料を仕分け、桜井市の子ども食堂「とまり木の会」と、児童養護施設・飛鳥学院に届けました。
週3回自宅を開放して地域の人の居場所づくりをしている「とまり木の会」の小峠忠義さんは「菓子類をたくさんいただくので、おやつを買う余裕がないという子育て世帯などに渡している。こうした地域活動にも気にかけてくださり、心強い」と語ります。

 幼児から高校生まで約50人が入所する飛鳥学院の河村善一院長は「食品は小さい子を抱えた卒院生にも届けている。社会に出ても寂しい気持ちを抱えている子が多く、物資は多くの人の優しさや温もりが感じられる分、時には金銭的な援助以上に彼らの心に響いていると思う」と話します。

 レスキュー隊隊長の和田浩証さん(光専寺衆徒)は「回を重ねるごとに皆さんからの物資は増えていて、私たちも人の熱意や温かさを感じている」。隊員の西村公喬さん(是信寺住職)は「お参り先でもSDGsをきっかけに環境やいのちの問題が話題になり、それがご法義の話につながることが多くなった。これからも身近な問題から社会に関わっていければ」と話されています。

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※『本願寺新報』(2021年11月1日号)に同内容を掲載しています。