地域での活動レポート

「御同朋の社会をめざす運動」大阪教区委員会 「子どもたちを育むために バースデーケーキプロジェクト」

近畿2021/12/23
  • Dāna for World Peace

◆「生まれてきてよかった」の思いを

 「御同朋の社会をめざす運動」(実践運動)大阪教区委員会(小倉雅昭委員長)は2021年4月から、大阪府吹田市の児童養護施設「大阪西本願寺常照園」(小川健二郎園長)で暮らす約60人の子ども全員の誕生日にバースデーケーキを贈っています。

 

 きっかけは、同委員会で小川園長(重点プロジェクト推進部会委員)から、「さまざまな事情により家庭で暮らせない子どもたちに、『生まれてきてよかった』と思い、笑顔になってもらえるよう、誕生日にはプレゼントを渡し、夕食時に生活グループで誕生日会を行っている。ただ、予算の都合で、すべての誕生日にバースデーケーキが準備できない」と現状を聞いたことです。

 

 同委員会は「誕生日は、すべての子どもにとって1年に一度の大切な日。特別な日を迎える1人1人にケーキをプレゼントしよう」と、「子どもたちを育むために バースデーケーキプロジェクト」を企画しました。1口3000円(ケーキ1ホール分)の支援を、組長会をはじめ教区内の寺院や仏教婦人会などに呼びかけました。反響が大きく、目標の60口に瞬く間に到達したといいます。

 

 支援した大阪教区仏婦連盟委員長の野口満寿子さんは「『私もあなたの成長を見守っているよ』という思いを子どもに届ける取り組みに賛同した。園からの礼状に『皆さまの温かい支援が子どもたちの"生まれてきてよかった"につながります』とあり、心打たれた。支援の輪を広げたい」。大阪市中央区・光臺寺坊守の藤溪志野生さんは「息子2人にこの企画を紹介し、大切な日を祝ってもらうことについて話し合った。息子たちも小遣いから協力すると言ってくれた」と話します。

 

 小川園長は「子どもたちは『めっちゃうれしい。ほんま幸せ』と、誕生日にお店から配達されるホールケーキを大変喜び、笑顔がはじけている。家族や職員以外の人にも、自分たちの大切な日を精いっぱいに祝ってもらっているという実感につながっている」と話しています。

 

 バースデーケーキプレゼントプロジェクトを担当する重点プロジェクト推進部会の寺本知正部長は「誕生から葬儀までの人生儀礼について考える冊子づくりにも取り組んできた。誕生日会も人生儀礼の1つ。大切ないのちの成長をお祝いする会を通して、自分は大切な存在であり、いろんな人に支えられていると自己肯定感を育んでもらいたい。この活動が、かけがえのない尊いいのちを生かされていることへの、私たち1人1人の気付きの機会になれば」と話しています。

 

※『本願寺新報』(2021年12月20日号)に同内容を掲載しています。