地域での活動レポート

「富山教区の取り組みについて」〈富山教区〉

東北2022/06/21
  • 寺おこし事業

富山教区の取り組み

 富山教区では、お寺が無くなってしまった地域の門信徒や、ふるさとを離れ首都圏に在住されている門信徒の方々に対して、浄土真宗のみ教えを途絶えさせないための取り組みを実施しています。

寺院が解散した地域への法話会開催

 2018(平成30)年に富山教区上市組に所属する東種・西種地区を対象に法話会を開催しました。

 同地区は山あいに位置しており、林業が盛んでありましたが、若者が富山市内や都会に移り住むようになり、小学校が廃校に追い込まれるなど、過疎化・高齢化が急速に進んでいきました。

 約50年前は200戸あった集落も50戸未満に減少し、高齢者の一人暮らしや老夫婦が住民の中心となり空き家も増えていきました。そのような環境の中でおよそ130年前に東種集落に根をおろし聞法道場として住民との交流も深かった寺院が、住職高齢・後継者不在の理由により2012(平成24)年に解散することになりました。

 2016(平成28)年に富山教区に配置された過疎対応支援員である朝井祐憲支援員(水橋組明通寺住職)が、無住寺院や解散寺院の現状を調査したなかで、当該地域の住民の方々は、お寺から縁遠くなってしまいましたが、み教えに触れたいとの篤い要望があることを知りました。そこで、朝井支援員は教務所と協力して教区主催による法話会を開催することとしました。

 会場を上市町にある西種公民館に決定し、上市組と協力して準備や開催案内を行いました。当日は、地域の多くの方々に参拝してもらえるよう、ジャンボタクシーを2台用意し、東種・西種地区をそれぞれ巡回して参拝者を送迎しました。その甲斐もあり、住民の3分の1にあたる16名が参拝され、法座のご縁を喜ばれました。

 正信偈のお勤めののち、ご法話を聴聞し、参拝者との交流の場として茶話会を催しました。茶話会では、お墓のことや離郷している子や孫へのお念仏の相続についてなどの話しを、朝井支援員や教務所職員が聞きました。

 参拝した西種区長は、「真剣な心でお話しを聞かせていただいた。普段は人としゃべることも少なくなったが、集まっていろいろとお話しできたことは本当によかった」とお話しされ、他の参拝者からも同様の感想が寄せられました。

 2019(令和元)年には、地域の「報恩講法要」として同様の取り組みを行い、14名が参拝されました。

富山県離郷門信徒の集い開催

 関東で暮らす離郷門信徒をはじめ、富山県に関わりのある人にお寺に親しんでもらい、ふるさとの富山と浄土真宗のご縁を次世代につないでもらいたいとの願いから、2018(平成30)年に築地本願寺を会場として教区主催の「富山県離郷門信徒の集い」(以下「集い」という)を開催しました。

 この集いは、東京富山県人会連合会に協力をお願いし、同連合会が開催する会合で、集いの広報を行ったり、「東京新聞」への広告掲載、富山教区寺院の離郷門信徒へのご案内などを行い、同連合会が毎年、築地本願寺で営んでいる「物故会員合同追悼法要」に併せて開催しました。

 富山からは6人の住職と5人の門徒が駆けつけ、同連合会の参加者60人と、離郷門信徒25人が参拝し交流しました。

 法要のご法話では、富山教区寺院の住職が富山弁を交えて話し、法要後の懇親会では、富山弁が飛び交い、参拝者と住職がふるさとの話しで盛り上がりました。参拝者は一様に「懐かしいね」と口にし、故郷に思いを馳せる姿が見受けられました。

 参拝者の一人は、「今でも毎年お盆には富山に帰り、墓参りをし、お寺にお参りしている。この集いで同じ村の人にも会え、富山を感じることができてとてもうれしい。両親も亡くなり仏壇に毎朝手を合わせているが、『死んだらどうなるのか』『親に会えるのか』と考えるようになった。築地本願寺にお参りし、いのちの行方を考えていきたい」と話しました。

 2019(令和元)年も同様の取り組みを行い、「東京新聞」の広告を見た人や、前回参拝者からの誘いを受けた人など、新たに参加する人も増え、100人の方が親交を深められました。

今後について

 東種・西種地区の法話会及び築地本願寺での離郷門信徒の集いは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020(令和2)年及び2021(令和3)年ともに開催を自粛しました。しかし、み教えを途絶えさせないための取り組みとして今後も継続して開催を検討されています。

 また、離郷門信徒の集いについては、北陸を故郷にもつ人の集いとして福井、石川、高岡、富山の4教区共催で、築地本願寺だけでなく津村別院などでも離郷された門信徒がみ教えとつながる施策ができないかと検討されています。

【法話会】

ジャンボタクシーで送迎

ご聴聞の様子

【離郷門信徒の集い】

東京富山県人会連合会 物故会員合同追悼法要

懇親会の様子