地域での活動レポート

安芸教区浦組妙専寺 「SDGsの学習発表会」

中国・四国2022/12/22
  • 地域活動

◆自然学んだ児童が大人と共有

 広島県東広島市の妙専寺(田阪法雄住職)で2022年11月6日、地元・木谷小学校の6年生11人がSDGsの学習発表会を開きました。児童らは環境問題を学ぶため、同年7月と10月に、妙専寺と北広島町の研修施設でNPO法人「ひろしま自然学校」が実施する「アースキーパー研修」を受講しました。発表会は研修のまとめとして開催し、児童が保護者や地域の人に自らの学びを語りました。

 アースキーパー研修は、小学校高学年や中学生を対象に、森や山での自然学習を通して、いのちの循環や生態系の成り立ちなどを体験的に学び、環境に配慮しながら生きられる人材の育成を目指す米国発祥のプログラム(※概要は自然学校のホームページhttps://hs-gakko.wixsite.com/2005)。娘2人が4年前にこの研修に参加したのを縁に、2021年から自然学校のスタッフを務める妙専寺の田阪三依坊守が「仏教精神と重なる活動。お寺で行いたい」と自然学校の協力を得て、初めて寺院で研修会を開きました。

 児童らは2022年10月の1泊研修を含む3日間、北広島町にある自然学校の施設で学習し、妙専寺での発表会では自らが"先生"となって、寺の裏山で、自分たちが学んできたプログラムを大人たちに紹介していきました。

 いのちの相互関係を学ぶ「つながり調べ」では、大人たちにエネルギーの源である太陽、光合成を行う植物、草食動物、肉食動物などの役を割り当て、1人1人を糸で結び、土・水・空気などを介してすべてのいのちが複雑に絡み合っている様子をわかりやすく伝え、「強い薬品などを使うと糸は次々と切れていく。ちょっとしたことで生態系は壊れてしまう」などと語り、また、周りの草や木、小動物を観察しながら食物連鎖を考えたり、鳥のさえずりや葉の落ちる音にじっと耳を澄ませて自然を感じるなど、五感を使った学びを提示しました。

 6年生の中川正宗さんは「地域の皆さんに自然に親しんでもらえてよかった。これからは、ゴミのポイ捨てをしないこと、物を大切にすることを心がけたい」、参加した大人も「鳥の声や風をゆっくりと感じることができた。地球上の全てのものはつながって生きていて、全てに感謝しながら生きていくことが大事だと知った」「事前の学習で子どもたちがしっかり学んで、理解していたことに感動した」などと感想を寄せていました。





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◆「環境にいい生き方を心がけることは、念仏者の生き方にも重なってくる」

 宗門校の龍谷大学で環境問題を考えるサークルに所属していた田阪住職夫妻が常に意識するのは「私と自然は一体である」ということです。田阪住職は「生態系やいのちのつながりを知れば、私の生活がいかに他のいのちに迷惑をかけているかを知らされる。私と離れたところに環境問題があるのではない」とし、「環境問題を考えることは仏教が説く縁起や無我の思想に通じ、私の自己中心性や煩悩に気づかされることになる。環境にいい生き方を心がけることは、念仏者の生き方にも重なってくるのだと思う」と語ります。

 三依坊守は「今回の学習後、ある親御さんから『子どもに言われて、親子でこまめに電気を消すようになった』と聞いた。アースキーパーになるのがゴールではなく、ここからがスタート。1人1人がどう行動していくかが大切。次は子どもたちと『川のゴミ拾いをしようか』と相談している」と手応えを語っています。




※『本願寺新報』(2022年12月1日号))に同内容を掲載しております。