地域での活動レポート

「ネパール・カリカサラン中学校への支援」

海外2023/04/04
  • Dāna for World Peace

◆ネパール・カトマンズ本願寺と連携した支援

 「子どもたちの笑顔のために募金」よりの海外への支援として、ネパール開教地カトマンズ本願寺と連携したネパール・カリカサラン中学校への支援が2023年1月に完了しました。

 「子どもたちの笑顔のために募金」によるネパールの学校の支援として2校目となる支援です。(※1校目は2021年のセティデビ中学校)

 カリカサラン中学校は、ネパール都市部のカトマンズから北東に65㎞の山間地にあり、2015年のネパール大地震で被害し、カトマンズ本願寺が支援した中学校の一つです。生徒数は約150名、教職員約10名の学校です。

 震災当時、カトマンズ本願寺やNGOの協力により教室と事務所、トイレが建設されましたが、水道設備が整っておらず、生徒や教員は2.5㎞離れた水くみ場まで、毎回30分かけて歩いて水をくみに行き、また食堂がないことで、子どもたちは建物の床やグラウンドで給食や弁当を食べているという状態でした。

 「子どもたちの笑顔のために募金」からは、「水道設備」の建設、子どもたちが食事を衛生的に食べられるように「食堂」の建設、学校の敷地を囲む「金網塀・校門」の建設を支援することとなりました。

 お寄せいただいた募金から支援を行うにあたり、カトマンズ本願寺とオンライン上で頻繁に打ち合わせを行い、カトマンズ本願寺が支援にかかる建設計画を立て、総額約670万円の支援金を2回に分けてネパールへ送金しました。

現地による建設工事は2022年7月に開始されましたが、工事開始時期が梅雨の時季であったため、工事は遅れ、また豪雨が続き、洪水や土砂崩れで道路が遮断されました。2022年は特に異例の長雨で、それに伴う多くの災害に見舞われ工事が予定通り進みませんでしたが、2023年1月には全ての作業が無事に完了しました。

 メインとなる「水道設備」は学校校門付近に設置し、そこからトイレ・校舎等へ水をひき、飲料水・トイレの水の問題が解決されました。また「食堂」は28フィート×18フィートの広さで、屋根はトラス付きの亜鉛金属で、壁はネパールで現在流行りのレンガで建てられました。「水道設備」と「食堂」には合計3,914,319ネパールルピー(約410万円)となりました。

 「金網塀」により学校の敷地820mを囲むことができました。「校門」は2つのセメントの柱と7~8フィートの高さの鉄の門として建てられました。「金網塀」や「校門」を建てる目的は、子どもたちの安全のためです。以前は校庭に村人や野生動物が入ってきていました。特に、関係者以外の村人がカード遊びや喫煙所として利用し、子どもたちや学校に悪影響を及ぼしていました。「金網塀」と「校門」は、安全な場所を確保するのに役立ち、学校の財産も確保しています。これらの工事に合計2,409,732ネパールルピー(約260万円)となりました。


◆ネパールより感謝の言葉が届く

 支援完了に際して、カトマンズ本願寺のソナム・ワンディ・ブティヤ ネパール開教事務所長より、「皆様のご協力のおかげで子どもたちは皆とても喜んでいます。子どもたちに快適な環境を作ってくださいまして誠にありがとうございます」と日本への感謝の言葉とともに、「水道設備の支援により飲料水とトイレ用の水の問題を全て解決しました。金網塀や校門により外から邪魔されずに勉強できる、また遊べるスペースがあることも大きな助けです。また、学校の財産を確保するのにも役立ちました。学校に食堂があることは栄養価の高い食品、健康的な食事について子どもたちの親に意識を与えることができます」と報告がありました。

 全国からお寄せいただいた尊い募金より、これからも子どもたちの笑顔のための支援を行っていきます。

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