京都教区寺族女性会連盟有志 手作り品の販売利益を被災地支援に
◆「自分たちにできることで」手作り品を販売
京都教区寺族女性会連盟の有志5人が、「自分たちにできることで」と、念珠やアクセサリーなどの小物を手作りし、その販売利益を被災地などに支援金として送る活動を10年以上にわたり地道に続けています。活動するのは、土橋ひろみさん、西田知佳子さん、川端美恵さん、岡本浄子さん、山﨑淳子さんの5人で、2011年に同連盟の役員をしていた仲間です。
活動の発端となったのは東日本大震災の後、京都で避難生活を送る被災者に経済的な支援をする団体が行う腕輪念珠販売を手伝ったことです。5人は販売活動を経験したことで、「被災地を支援する、自分たちにもできる活動があるのでは」と考え、手芸などの技術を活かし、小物や念珠を作り、それを研修会や大会などで買ってもらい、経費を差し引いた販売利益を支援金にしていくことを発案しました。
腕輪念珠、念珠、ブローチ、髪飾り、ストラップ、ネックレス、あずま袋や手さげ袋などさまざまなものを作っており、現在も新しいものを次々と開発しています。作るのはそれぞれの家庭で行い、教区や近畿の寺族、仏教婦人大会や研修会などで販売しています。
2013年に東日本大震災支援金として10万円を届けたことをスタートに、国内外を問わず、災害が起きた地域や国への支援金を毎年のように届け続けており、その総額は約200万円にのぼります。川端さんは「被災地への思いを持った方々が買ってくださったおかげ。その思いの詰まったお金を私たちが代わりに届けさせていただいているだけ」と話します。
また、北海道、福島県、熊本県の被災地に出向いて炊き出しも実施し、ちりめんご飯に生麩、だし巻き、白みその雑煮などを作り、京都の味を楽しんでもらうなどの現地活動も行ってきました。
◆できることを無理なくコツコツと
土橋さんは活動を振り返りながら、「この3年ほどは新型コロナの影響で物品の販売をする機会がなくなってしまったが、最近ようやく大会や研修会が開かれるようになってきた。無理せず、あせらず『できることからコツコツと』がモットー。このメンバーと会えるのが楽しみだから続いているのかも」と話し、西田さんも「無理なくが継続の秘訣かな」とほほ笑みます。
販売を手伝ってくれる人も増えるなど、つながりも広がりました。土橋さんは「『作ることはできないが、販売なら』と手伝ってくださる方がいる。いろんな方が協力してくださるおかげ。活動を通して心が一つになるように思う」と話します。山﨑さんは「活動を知った僧侶の方が『住職継職法要の記念品にしたい』と発注してくださったこともある」と語るように、コツコツの活動がジワジワと広がっています。
また、寺院での出張教室も請け負っています。依頼を受けた寺院で、念珠や小物作りの教室を開いており、川端さんは「私たちの活動が参考になると言ってくださるのなら、そのノウハウを余すところなくお伝えし、寺院活動のお手伝いをさせていただきたい」と語っています。
問い合わせは京都教区教務所 TEL 075(371)6981
※『本願寺新報』[2023年10月20日号]に同記事を掲載しております。