地域での活動レポート

佐賀教区神埼組浄光寺 浄光寺おてら食堂

九州・沖縄2024/06/04
  • 寺院活動

◆安心できる居場所の提供

 佐賀県神埼市の浄光寺では2015年6月より、お盆の8月と年末の12月を除き、月に1回おてら食堂を開催しています。食堂の代表である坊守の後藤契子さんが、「当時(2015年)は子ども食堂の活動が全国的に広まってきている頃で、お米や野菜など、食材や広い場所があるお寺でも何かできないだろうか」と思ったことをきっかけに、食を通じての地域の交流やお寺を安心できる依りどころに感じ、誰にでも気軽に来てもらえるようにとの願いをもって『浄光寺おてら食堂』を開設しました。
 毎月のメニューはスタッフで話し合い、門信徒等から提供されるお米・野菜等、その時にある食材でメニューを考え、旬の食材を使った料理が振る舞われています。昼食後には不定期で絵本の読み聞かせなどを開催することもあり、親子が一緒に楽しめる場所となっています。


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◆続けてきたことでの「ご縁」

 おてら食堂を始めたばかりの頃は利用人数も少なく、「何のために?」と目的が見えずスタッフでの話し合いをした事もありましたが、とにかくやめずに続けることを第一に、新型コロナが蔓延していた時期もテイクアウトでの活動を続け、今では毎回60人ほどの方がみえます。 スタッフも最初は浄光寺の門信徒だけでしたが、近隣地域の方や県内の高校生・大学生、ベトナムからの留学生もボランティアスタッフとして食堂を手伝ってくれたり、佐賀県からの視察や新聞への掲載など、おてら食堂の活動が認知されていき、「続けているといろんなご縁や出会いが広がっていくことを実感した」と後藤さんは話します。
 浄光寺おてら食堂では、食後は自分が使った食器を必ず台所まで持って行き「ごちそうさま」と言ってもらう、というルールがあります。これは、食事を作ってくれるボランティアと食事を食べる利用者が、お互いの顔が見えるようにという思いがあり、食事を終えた子どもが「美味しかった!ごちそうさま!」と言って食器を持ってくると、ボランティアのスタッフもやって良かったと嬉しく感じ、スタッフと参加者の双方に笑顔があふれるからです。
 今後はこれまで以上により多くの方に居場所を提供できるよう、色々な工夫をしながらおてら食堂を継続していき、誰でも気軽に来れる、安心できる居場所づくりに取り組みます。

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