浄土真宗本願寺派少年連盟 能登半島地震で被災した子どもたちのために
◆石川県の保育所でかき氷などを振る舞う
「能登半島地震で被災した子どもたちに楽しいひとときを」と本派少年連盟(護城孝道理事長)は2024年7月12日、連盟役員など5人が石川県穴水町を訪れ、光琳寺(長谷川逑麿住職)が運営する光琳寺保育所の園児40人に、かき氷とポップコーンを振る舞いました。 光琳寺保育所は2024年元旦の大地震で寺の境内にある園舎が半壊し、使用可能な施設部分も2月末まで地域の避難所となり、その間は休園を余儀なくされました。3月からは約2㎞離れた町立向洋小学校の校舎の一角で保育を行っていますが、園舎の補強工事が完了する9月までは慣れない環境での園生活が続きます。 この日はプロの人形遣いの安藤秀明さん(新潟県燕市・福勝寺衆徒)による演劇ボランティアもあり、子どもたちは教室で人形劇を鑑賞した後、外に出て、少年連盟スタッフが用意したかき氷とポップコーンをほおばり、楽しいひとときを過ごしました。副園長の長谷川みはる坊守は、「震災前は園庭で遊んだり、お寺の周りを散歩するのが日課だったが、この学校の校庭も地割れしているところがあり、なかなか外で遊ぶこともできない。外ではしゃぐ園児の笑顔を久しぶりに見ることができた」と話し、「子どもたちは今日の日を本当に待ちわびていました」と目を細めていました。 お昼は連盟スタッフも園児と一緒に給食を食べ、歓談し、楽しみにしていたかき氷がおいしかったことや日頃の園生活の様子、中には地震の体験について話す園児もいました。園長の長谷川住職は「仮設住宅での生活を余儀なくされている家庭もあり、子どもたちが夏を満喫できる機会はほとんどない。またこのような機会を設けていただけたら」とスタッフに謝意を伝えました。 本派少年連盟が能登の被災地でボランティア活動を行うのは初めてで、連盟が設ける基金である「被災した子どもたちのための活動支援金」を活用し、宗派・能登半島地震支援センター(金沢別院内)のコーディネートで光琳寺保育所の子どもたちに少年連盟のグッズやお供えのおさがりのお菓子を配ったほか、穴水町の社会福祉法人「平和こども園」にも連盟教材を届けました。 スタッフで参加した連盟理事の脇本寿真さんは「おやつを食べる子どもたちの笑顔に心が和んだが、ご住職や坊守さんから『今年は花まつりもできなかったし、毎日の散歩もできない』と聞いて、『ここは被災地だった』と我に返った。またこの笑顔を見に来たいと思う」と話しています。
※同内容の記事を『本願寺新報』[2024年8月10日号]に掲載しております。