岐阜聖徳学園高校 アクリル板のアップサイクル(創造的再利用)体験
◆「隔てる板」を「つなぐモノ」へ
岐阜市にある宗門校・岐阜聖徳学園高校の1年生6人が、龍谷大学の学生の協力を得て、新型コロナの感染予防で使用されていたアクリル板のアップサイクル(創造的再利用)事業を体験しました。
商店街の活性化や里山活動の振興など、複数の事業から選択して生徒が取り組む学習単元「探究」の一環として、龍谷大学の学生団体「Loop Up(ループアップ)」(森彩花代表)の協力のもと、岐阜聖徳学園高校商業科1年1組の6人が活動に臨みました。森代表らは2023年から、学内で使用しなくなったアクリル板をメッセージボードやアクセサリーなどに作り替えて再利用する活動に取り組んでおり、これまでに廃棄予定だったアクリル板300枚以上を再生させています。
作業は夏休みに実施し、生徒が岐阜聖徳学園大学や地元企業などから譲り受けたアクリル板250枚の一部を龍谷大瀬田キャンパスの作業スペースに運び込み、「Loop Up」の大学生や大学院生と一緒にオリジナルのアクリルスタンドやキーホルダー、ストラップなどに加工しました。
また、2024年8月に開かれた岐阜聖徳学園高校の学校見学会では、龍谷大学生が加わって中学生と保護者向けにアクリル板再生のワークショップを実施し、取り組みの意義やSDGsへの理解を呼びかけ、生徒らが龍谷大で作った8種類約300個の製品を参加者に配りました。
◆「仏教×SDGs」に通じる取り組み
活動に参加した岐阜聖徳学園高校の成瀬心釉(なるせみゆ)さんは、「アップサイクルという言葉も、不要になったアクリル板の9割が償却処分されることも全然知らなかった。人を隔てていたアクリル板を人の笑顔につなげるものに作り替えるのはとても素敵な取り組みだと感じた」。「Loop Up」の森代表は、「高校生と一緒に学べて、私たちの励みにもなった、アップサイクルが周知され、多くの人に実践してもらえたら」。また、「探究」を担当した田中雅樹教諭は「アップサイクルは龍谷総合学園が掲げる『仏教×SDGs』とも通じており、生徒たちも新たな価値観を得られたと思う。総合学園のネットワークを生かして、今後もさまざまな形で協同できれば」と話しています。
▲学校で使用しなくなったアクリル板をオリジナルのアクリルスタンドやキーホルダー、ストラップなどに加工▲
※本願寺新報[2024年10月10日号]に同内容の記事を掲載しております。