能登半島地震支援センター 能登町で子ども食堂開催

◆能登半島地震支援センターが地元の声に応えて子ども食堂開催
「能登の子どもたちを元気に」と、宗派の能登半島地震支援センター(金沢市・金沢別院内)では、2025年3月22日、石川県能登町のまつなみキッズセンターで地元の「こども食堂おむすび」(西中宏美代表)などの協力を受け、初めて子ども食堂(能登半島地震支援センターが2024年10月から被災者の心のケアを目的に、仮設住宅や寺院などで開くサロン活動の子どもバージョン)を開きました。
「こども食堂おむすび」は2024年11月から毎月1回、まつなみキッズセンターで開かれており、能登半島地震支援センターは米や紙皿、紙コップなどを届けてきました。その交流の中で、西中代表らから「能登の子どもたちを元気づけてほしい」との要望を受け、子ども食堂を春休み期間中に開くこととなりました。 活動には、支援センターのスタッフ、石川教区の僧侶や寺族、宗門校・龍谷大学のボランティア・NPO活動センターの学生、教職員など約30名が参加し、国府教区から寄贈された米23升(約35キロ)をはじめ、豚肉50キロ、タマネギ50キロなどを持参し、豚丼500食分を準備しました。
子ども食堂には約50人の子どもたちが集い、豚丼のほか、フランクフルト、ポップコーン、綿菓子なども振舞われました。食事を終えた子どもたちは、学生スタッフらと輪投げや野球ゲームなどを楽しみました。また、仏教に親しんでもらおうと、釈尊の誕生を祝う花御堂が設置され、子どもたちは誕生仏に甘茶を注ぎました。
◆「子どもたちの心の傷はまだ癒えていない」
レクリエーションコーナーでは、6つのスタンプを集めると「わ・げ・ん・あ・い・ご」(和顔愛語)となり、スタッフを務めた能登町・法栄寺衆徒の弘﨑嘉正さんが「笑顔と優しい言葉でみんな仲よくしてください」と法語の意味をわかりやすく解説しました。
弘﨑さんは「子どもたちと話す時に地震のことには触れなかった。あの恐ろしい体験を思い出させたくなかったから。今日1日はみんな笑顔で過ごしてほしかった」と話しました。花御堂で子どもたちの世話をした穴水町・幽経華菜子さんは「みんな笑顔でレクリエーションを楽しみ、何度も同じゲームにチャレンジする子もいた。ただ、遊んでいるときはみんな元気だけれども、地震で負った心の傷がまだ癒えていない子どもたちも少なくないと思う。こうした支援が今後も必要だ」と話しました。
また、当日キッズセンターに隣接する能登町役場内浦総合支所で、仮設住宅の住民らに豚丼450食を届けました。

※本願寺新報[2025年5月20日号]に同内容の記事を掲載しております。