○学階規程

昭和27年3月25日

宗則第19号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 学階の授与

第1節 通則(第4条―第10条)

第2節 学階試験(第11条―第19条)

第3章 学階審査会(第20条―第26条)

第4章 雑則(第27条・第28条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この宗則は、宗法第98条の規定に基づき、学階に関する必要な事項を定め、もって教学の進展に寄与することを目的とする。

(学階)

第2条 学階は、次の各号に掲げるとおりとする。

 勧学

 司教

 輔教

 助教

 得業

2 学階には、定員を設けない。但し、勧学は、80歳未満の者が15人を超えてはならない。

(用語の定義)

第3条 この宗則で「旧制」とは、大学令(大正7年勅令第388号)又は専門学校令(明治37年勅令第61号)による学校をいい、「新制」とは、学校教育法(昭和22年法律第26号)による学校をいう。

第2章 学階の授与

第1節 通則

(授与権者)

第4条 勧学以外の学階は、総局が授与する。

(授与の原則)

第5条 学階は、教師で真宗学及び仏教学に通暁したものに授与する。但し、初めて学階を受ける者は、殿試規程(昭和27年宗則第20号)に定める殿試に通暢しなければならない。

2 学階(勧学を除く。)の授与については、あらかじめ学階審査会の審査を経るものとする。

(勧学の授与手続)

第6条 勧学は、総局が、司教のうちから選考した者について、あらかじめ勧学寮の同意を得て、その授与を門主に申達する。

(司教の授与)

第7条 司教は、輔教でその提出論文の審査を経たものに授与する。但し、特に必要がある場合は、口述試問を行うことを妨げない。

(輔教、助教及び得業の授与)

第8条 輔教、助教及び得業は、それぞれ学階試験に合格した者又は学階試験を免除された者に授与する。

(昇階の定年)

第9条 次の各号に掲げる昇階については、それぞれ当該各号に掲げる学事研究の期間を満了した者でなければ、昇階について学階試験を受け、又は論文を提出することができない。

 得業から助教への昇階については3年

 助教から輔教への昇階については4年

 輔教から司教への昇階については7年

2 前項の規定にかかわらず、学階審査会の議決を経て、昇階の定年を変更することができる。

(手続)

第10条 学階(勧学を除く。)の授与を希望する者は、所定の書類に冥加金規程(昭和22年宗則第37号)に定める冥加金を添えて、総局に提出するものとする。

第2節 学階試験

(予試及び本試)

第11条 学階試験を分けて、予試及び本試とする。

2 予試は、本試を受けるに足る学力を有するかどうかを考試することをもってその目的とする。

3 本試は、予試の結果に基いて、学階を授与するに足る学識を有するかどうかを判定することをもってその目的とする。

第12条 予試は、真宗学又は仏教学に関する論文について行い、あわせて当該論文にかかる口述試問を行う。

2 本試は、真宗学及び仏教学に関する問題について行い、その試験の方法及び範囲は、それぞれ次表に掲げる通りとする。

 

筆記試験

口述試問

輔教の本試

真宗学又は仏教学

同上

助教の本試

真宗学は宗祖部

仏教学は天台教義及び華厳教義

同上

得業の本試

真宗学は七祖部

仏教学は倶舎教義及び唯識教義

同上

3 本試は、予試に合格した者及び第13条又は第16条の規定により、予試を免除された者に限り、受けることができる。

第12条の2 学階試験の合格者には、学階試験合格証を、科目の合格者には、当該科目の科目合格証を交付する。

2 科目合格証は、交付の日から、5年間有効とする。

(免除)

第13条 次表の上欄に掲げる者には、願出により、それぞれ下欄に掲げる予試を免除する。

上欄

下欄

助教で安居規程(平成15年宗則第4号)に定める安居(以下同じ。)に出席し、研究発表又は会読について、3回以上賞を授けられたもの

輔教の予試

イ 得業で3回以上安居の終了考査に合格したもの

ロ 得業で安居に出席し、会読について3回以上賞を授けられたもの

助教の予試

第14条 次表の上欄に掲げる者には、願出により、学階試験委員会の議を経て、それぞれ下欄に掲げる予試及び本試を免除する。

上欄

下欄

イ 旧制大学の文学部卒業者で提出論文の考査を経たもの

ロ 新制大学の文学部又は仏教学部若しくはこれらに相当する学部の卒業者で提出論文の考査を得たもの

助教又は得業の予試及び本試

イ 武蔵野大学大学院修了生で大学長の推薦したもの

ロ 九州龍谷短期大学卒業者で大学長の推薦したもの

ハ 中央仏教学院研究科卒業者で院長の推薦したもの

ニ 東京仏教学院研究科卒業者で院長の推薦したもの

ホ 行信教校卒業者で校長の推薦したもの

ヘ 教師で2回以上安居専修科の終了考査に合格したもの

ト 宗学院別科の修了考査に合格したもの

得業の予試及び本試

第15条 前条に規定する者の外、次表の上欄に掲げる旧制又は新制龍谷大学の卒業者には、龍谷大学長の推薦により、それぞれ下欄に掲げる予試及び本試を免除する。

上欄

下欄

旧制研究科又は大学院修士課程で真宗学又は仏教学を専攻した者

輔教の予試及び本試

イ 旧制文学部で真宗学又は仏教学を専攻した者

ロ 旧制専門部卒業者で旧制選科の課程を履修し真宗学又は仏教学を専攻した者

ハ 新制文学部で真宗学科又は仏教学科を専攻した者

ニ 新制短期大学部専攻科仏教専攻課程を履修し、その成績優秀な者

助教の予試及び本試

イ 旧制文学部を卒業又は予科を修了し、その成績優秀なもの

ロ 旧制専門部を卒業したもの

ハ 新制短期大学部を卒業したもの

得業の予試及び本試

2 旧制又は新制龍谷大学文学部卒業者のうち、前項に規定する以外のもので、旧制においては真宗学又は仏教学を、新制においては学階課程所定科目を修得し、その成績優秀な者には、学階試験委員会の議を経て、助教又は得業の予試及び本試を免除することができる。

3 旧制選科で真宗学又は仏教学を専攻し、その成績優秀なものには、龍谷大学長の推薦により、学階試験委員会の議を経て、得業の予試及び本試を免除する。

(外国の学校卒業者)

第16条 外国の学校を卒業した者で、その学歴が第14条又は前条に規定する者と同等以上であると認められる場合においては、学階試験委員会の議を経て、適宜予試又は本試若しくはその全部を免除することができる。

(学階試験委員会)

第17条 学階試験は、学階試験委員会(以下「委員会」という。)が行う。

2 委員会は、委員長及び委員若干人で組織する。

3 委員長は、所管の総務が当り、会務を統理する。但し、委員長に事故があるときは、委員長の指名する委員が、その職務を代行する。

4 委員は、学階審査会の委員のうちから、会長が推薦した者について、その都度総局が任命し、予試論文の審査、本試の試験問題の提出及びその採点に当る。

5 予試又は本試を担当する委員については、適宜委員長が指名する。

第17条の2 学階試験の合否その他必要な事項は、委員長及び委員の3分の2以上が出席した委員会で決める。

2 委員会は、委員長が招集する。

3 委員会の議事は、出席委員の3分の2以上の賛成で決める。

4 委員会の議事は、委員長から総長に報告しなければならない。

第18条 予試論文の提出期限は、毎年3月31日までとし、受験者には、7月以内に予試に合格したかどうかを通告する。

2 本試は、毎年10月に行う。但し、必要があるときは、臨時に行うことができる。

(準用規定)

第19条 第10条の規定は、学階試験を受けようとする者に、教師規程(平成31年宗則第2号)第14条第16条及び第17条の規定は、学階試験に準用する。この場合において、「資格試験」とあるのは「学階試験」と読み替えるものとする。

第3章 学階審査会

(権限)

第20条 学階審査会(以下「審査会」という。)は、総局の諮問に応じ、学階の授与に関する重要事項を調査審議する。

(組織)

第21条 審査会は、会長及び9人以上15人以内の委員で組織する。

2 会長は、勧学寮頭をもってあてる。

3 委員は、次の各号に該当する者のうちから、総局が任命する。但し、第1号及び第2号に該当する委員は、勧学寮頭の推薦した者とする。

 勧学 5人以内

 司教 5人以内

 宗門関係学校の教職員 2人以内

 宗務所の部長級以上の職員 3人以内

(会長)

第22条 会長は、会務を統理する。

2 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の指名する委員が、その職務を代行する。

3 会長は、委員のうちから2人以上の論文審査員を指名し、司教論文を審査させる。

(任期)

第23条 委員の任期は、毎会計年度限りとする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(招集)

第24条 審査会は、総局が招集する。

2 審査会は、毎年6月及び11月に開催する。但し、必要があるときは、臨時に開催することができる。

(議決方法)

第25条 審査会は、会長及び定数の委員3分の2以上が出席しなければ、議事を開き議決することができない。

2 審査会の議事は、出席委員の3分の2以上の賛成で決める。

(内部規則)

第26条 審査会は、この宗則及びその他の法規に違反しない限り、学階の授与についての審査基準その他の事項に関し内部規則を定めることができる。但し、その内部規則は、総局の承認を受けなければならない。

第4章 雑則

(告示)

第27条 総局は、学階が授与された場合には、授与された学階、その者の氏名及び所属寺を告示する。

(宗達への委任)

第28条 この宗則に定めるものの外、学階の施行について必要な事項は、宗達で定める。

1 この宗則は、発布の日から施行する。

3 この宗則施行の際現に従前の学階規程によって授与された学階は、これをこの宗則によって授与された学階とみなす。

4 この宗則施行の際従前宗政総局によって授与された学階試験の合格証及びこれに相当する証書は、これをこの宗則によって授与されたものとみなし、効力期間のあるものについては、その期間は従前授与された日から起算する。

5 昭和27年に限り、第18条第1項に規定する期日及び期間は、総局が適宜延長し又は短縮することができる。

(附則6項省略)

(昭和29.3.15―宗則9号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(昭和32.3.23―宗則7号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(昭和37.3.18―宗則14号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(昭和42.3.3―宗則1号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(昭和46.3.16―宗則8号)

1 この宗則は、昭和46年4月1日から施行する。

2 この宗則施行以前に中央仏教学院規程(昭和24年宗則第93号)による研究科を卒業している者についても、第14条の改正規定を適用する。

(昭和57.3.16―宗則5号)

この宗則は、昭和57年4月1日から施行する。

(昭和62.3.9―宗則1号)

1 この宗則は、昭和62年4月1日から施行する。

2 この宗則施行以前にこの宗則の変更規定に該当する者についても、この宗則を適用する。

(平成8.11.5―宗則12号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(平成12.3.18―宗則8号)

この宗則は、平成12年4月1日から施行する。

(平成14.3.6―宗則5号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(平成15.11.11―宗則18号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(平成17.11.15―宗則14号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(平成24.2.10―宗則45号)

この宗則は、平成24年4月1日から施行する。

(平成31.2.22―宗則4号)

この宗則は、2020年4月1日から施行する。但し、第1項及び第4項の規定並びに第2項、第3項、第5項及び第6項中教師授与申請の資格付与に関する変更規定は、2021年4月1日から施行する。

学階規程

昭和27年3月25日 宗則第19号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第6編 伝道・教化/ 学事関係
沿革情報
昭和27年3月25日 宗則第19号
昭和29年 宗則第9号
昭和32年 宗則第7号
昭和37年 宗則第14号
昭和42年 宗則第1号
昭和46年 宗則第8号
昭和57年 宗則第5号
昭和62年 宗則第1号
平成8年 宗則第12号
平成12年 宗則第8号
平成14年 宗則第5号
平成15年3月3日 宗則第4号
平成15年11月11日 宗則第18号
平成17年11月15日 宗則第14号
平成24年2月10日 宗則第45号
平成31年2月22日 宗則第4号