少しでも心配なことや嫌なことがあると、四六時中そのことばかり考えてしまい、夜も眠れなくなってしまいます。他人に話すと「気にしすぎ」と言われますが、気にしないようにする方法がわからないのです。
アドバイスお願いします。
(30代 会社員)
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A大丈夫。心配してしまう自分も丸ごと受け入れてみよう。
実は、わたしも心配性でいろいろ気にして深く考え込むことが多いので、お気持ちよくわかります。人の顔色や空気を読んだりして、心配なことや嫌なことがあると本当に疲れますよね。意識しているわけではないのに無駄にアンテナを張ってしまって、気づかなくていいことまで気づいてしまうことがあると、ますます気にしすぎてしまいますよね。わたしはその悩みを打ち明けられずにいたので、同じ悩みを抱えていらっしゃることを、よ…くぞ勇気をだしてご相談くださいました。ありがとうございます。
まず、物事にはさまざまな見方があると思います。リンゴは丸いという人もいれば、赤いという人もいるように、人によって異なる着眼点があり、見方が変われば、受けとめも変わるのではないかと思います。
そう考えると心配性は、感受性が豊かだということが言えると思います。ちょっとした変化を見逃さずに敏感に感じることができるということです。また、心配ごとや気になることが多いということは、先に起こりうる問題に対して危機管理能力があるということではないでしょうか。ですから、まずは、あえてその心配ごとの解決策を徹底的に考え、具体的に行動にうつしていくのはどうでしょうか。心配ごとのもとから絶っていくということです。
しかし、「そこまでやっても四六時中そのことばかり考えてしまい、夜も眠れなくなってしまいます。」というご相談の通り、まだ心配になり、気になってしまうかもしれませんね。その場合、心配性の自分をありのままに受け入れていくというのはいかがでしょうか。
「天命に安んじて、人事を尽くす」という言葉があります。どんな自分でも受け入れてくれる仏さまの存在があるから、安心して自分自身は最善を尽くそう、といった意味です。心配ごとや嫌なことを気にする自分も、気にするなと言われれば余計気にしてしまう自分も、具体的に考え、行動し、もう大丈夫!と思ったはずが、まだ心配してしまう自分も、そんな自分に悩んでしまう自分も。すべて含めてご存じで受容してくださる仏さまがおられる。そんな仏さまに丸ごと受け入れられているからこそ、安心して悩んでいけるし、心配ごとや気になることがなくなるわけではないが、自分なりにできることを一つひとつ精一杯取り組んでいける、と勇気づけられます。
自分の意思とは関係なく、自然と心配してしまうのです。だからできることをやっても、心配してしまうことを止めることは難しいと思うのです。「できることをすべてやったのに、まだ心配に思う自分がいるのだな」と素直に自分の気持ちを受け入れていくことで、心配な気持ちは完全にはなくならないまでも、心は少しずつ和らいでいくのではないでしょうか。
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A平常心を保つのは難しいこと。「気にしすぎ」でも、大丈夫。
実は私も、夜眠れない時期がありました。浄土真宗以外の仏教には、「瞑想」という心をしずめる伝統的なテクニックのようなものがあり、自分の呼吸や身体の感覚にだけ意識を集中したり、心の中でいろんな感情が起こっては消えてゆくのを平常心でただ眺めていると、心が落ち着く……と聞いたことがあったので、知り合いの禅宗のお坊さんに、「瞑想って簡単にできる?」と聞いてみました。すると、「簡単にできるぐらいならとっくに…悟ってるよ!」と言われました(笑)そう。「心をしずめる」ということは、私たち人間にとってそう簡単なことではないのです。
結局私はお医者さんに相談し処方された睡眠導入剤を飲むことで、安心して眠ることができるようになりました。ですから、ひとりで無理をせずお医者さんに頼ることも、ひとつの選択肢だと思います。
そもそも、「何が起こっても気にならない平常心」というものは、仏さまにしかないものだと思います。私たちは仏さまではないのですから、くよくよしながら生きるのが当たり前なのです。「それにしても自分は、ひと一倍、物事が気になってしまう」
と悩んでしまうかもしれませんが、それはあなたがひと一倍、繊細な神経の持ち主だからなのですよね。それは決して悪いことではなくて、ひとつの魅力だと思うのです。少なくとも私は「ものごとにくよくよせず、よく笑い、よく眠る、図太い神経」の人よりも、あなたのような人の方が好きです。きっと、優しい人だから。
では、くよくよして、気にしすぎてしまう私たちを、仏さまはどうご覧になっているのでしょうか。「私のようにいつも平常心でいなさい」ということはおっしゃいません。それよりも「あなたがくよくよして眠れないときも、たまたま安らかに眠れているときも、いつでもあなたのそばにいて、あなたを大事に思っているよ」と、24時間ずっと、あなたのことを心配してくれているのです。まるで、赤ちゃんが眠るまで添い寝するお母さんのように、あなたが眠れるまで、ずうっとあなたの話し相手になってくださるのが仏さまなのです。眠れなくてつらいときは、どうか、そんな優しい仏さまのことを思い出してみてください。すこし気持ちが落ち着くかもしれませんよ。
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