安芸教区浦組妙專寺 環境学習の一環で醤油作りとゴミ拾い
中国・四国2024/07/16

◆「見えないけれどあるんだよ」
広島県東広島市の妙専寺(田坂法雄住職)の土曜学校の子どもたちが、2024年3月24日に、1年間かけて仕込んだ大豆で醤油搾り体験を行いました。
同寺では2022年夏に子どもたちに縁起(物事は原因や条件によって生じ存在しているという仏教の根本真理)に気づき、環境に配慮しながら生きられる人になってもらいたいと、地元のNPO法人ひろしま自然学校が行う「アースキーパー研修」の受講機会を提供し、研修後も学びを続けようと、いのちの循環や生態系の成り立ちを考える環境学習の一環として、醤油作りを始めました。
2023年春に麹の付いた大豆に塩と水を加えて仕込みを行い、毎月の土曜学校で天地返し(混ぜる作業)を繰り返して大切に育ててきました。
この日は田坂住職が最初の法話の中で、麹など目には見えない働きで大豆が醤油もろみに変化していったことに触れながら、「私たちも目には見えない、人やいのちや仏さまのおかげで日々生かされている。見えないけれどあるんだよ」と子どもたちに伝えた後、続いて、搾りふねに広げた大豆に圧力をかける醤油搾りを体験し、甘い香りとともに濃厚な醤油が流れ出てくると、子どもたちの表情には満足そうな笑みがこぼれ、さっそく卵かけご飯に醤油をかけて、みんなで味わいました。


その後は、地元の海岸でごみ拾いをし、プラスチック片やペットボトルなど、集まったゴミは軽トラック1台分にもなりました。
田阪住職は「見えない働きに目を向けることは『つながり(縁起)』に気づいていくことであり、環境問題を考えることは自己の罪悪性に気づくことでもある。これからも子どもたちと一緒に学んでいきたい」と話しています。

※同内容の記事を『本願寺新報』[2024年5月10日号]に掲載しております。