本願寺仏教音楽・儀礼研究所(教学伝道研究センター)では、仏教音楽振興の一環として、宗門長期振興計画「教学・伝道の振興」のうち、重点項目④「伝道態勢の整備」において、「本願寺音御堂」を企画・開催いたしました。
本願寺仏教音楽・儀礼研究所では、仏教讃歌に親しむ門信徒の方々が、本山で一同に会して大合唱する機会として、これまでにも「御堂演奏会」を開催してきました。
当初この行事は、秋の法要に行われる布教大会の一環として行われていましたが、参加者の数が増えるにともなって、ひとつの独立した行事として開催され、2009年より、春の法要と秋の法要に、2日ずつ、年間に計4回開催されてきました。

このように、年間の開催日数が増えた背景のひとつには、参加者の増加があげられます。木造建築としては、世界トップクラスの規模を誇る本願寺の阿弥陀堂ですが、音楽面や安全面を考慮すると、合唱大会の参加人数は、1回につき5、600人程度に制限せざるをえません。そのため、ある意味では分割開催という性格も有することになってしまうため、出来れば同じ日に一緒に歌ってみたいという声も、研究所に寄せられるようになりました。
当日は、午前10時からの受付にもかかわらず、すでに10時前の段階で、御影堂には約8割の参加者(全申し込み者数:99団体、1,566人)が到着されていたようです。
その後、開会式に始まり、約2時間に渡るリハーサルと昼食を経て、『宗祖讃仰作法 音楽法要』に基づく音楽礼拝、仏教讃歌八曲の大合唱、そして最後に恩徳讃の斉唱と、盛りだくさんの内容のうちに、本願寺音御堂は進みます。多数の方が合唱というご縁でお参りくださり、仏教讃歌の音声に満ちた御影堂は、まさに音御堂そのものとなりました。
本願寺音御堂そのものは、11月8日のわずか1日限りの行事でした。
しかし、毎年本山での大合唱大会の後、それぞれの教区や組においては、また大小様々な合唱大会が開かれています。
おそらく、本願寺音御堂に参加された方々の想いは、さらに大きな仏縁となって、各地でこれから大きな花を咲かせてくださることでしょう。1つでも多くの音御堂が生まれ、仏法興隆の一助となれば幸いです。
(教学伝道研究センター)