親鸞聖人750回大遠忌法要は無事円成いたしました。多くの方々のご参拝、誠にありがとうございました。
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『親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画』の推進について
宗門では、2005(平成17)年8月1日からスタートした「親鸞聖人750回大遠忌(だいおんき)宗門長期振興計画」(以下、「振興計画」)の完遂をめざして取り組みを進めています。

3期12ヵ年にわたる長期計画のため、骨太でより実効性のあるものにと詳細な検討がなされています。とくに、第一の目標でもある親鸞聖人750回大遠忌法要を4年後に控え、今年度から中央法要事務所の第一次実働体制が始動しました。

そこで、今号よりこの振興計画の内容を広くご理解いただくために、推進内容を逐次詳細にお伝えします。 第1回では、これまでの経過と今後の推進体制、目標、重点項目ごとの進捗状況などについてお知らせします。

1 これまでの経過と今後の推進体制

2005(平成17)年8月1日からスタートした「親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画」は、親鸞聖人750回大遠忌法要事務所と宗門長期振興計画推進本部の両体制のもとで、親鸞聖人750回大遠忌法要推進委員会、並びに宗門長期振興計画推進協議会に重要事項を諮問しながら実施推進されています。

2006(平成18)年1月に宗門長期振興計画推進協議会より提出された中間答申に基づき、宗門長期振興計画推進本部において、骨太でより実効性のあるものをめざし、種々詳細な検討を重ねてまいりました。

その点検総括の中から推進事項ごとに、「当初計画を拡充する必要があるもの」、「当初計画の変更や他の事項への統合が適当と思われるもの」、「若干の見直しが必要なもの」、「振興計画の策定後に提起され推進すべき取り組みと考えられるもの」の四つに方向性を集約いたしましたが、現状においては「収支計画の総額の変更は行なわない」、「予備費を費消しない」ことを基本として推進内容を精査の上、2007(平成19)年2月に招集されました第283回定期宗会の議決を経て、収支計画の予算内容の一部を変更いたしました。

今後とも、親鸞聖人750回大遠忌法要の円成(えんじょう)、並びに宗門長期振興計画の完遂をめざして、実効性のある計画の推進を期してまいります。

2 「ご消息」のおこころを体して

2005(平成17)年、御正忌(ごしょうき)報恩講(ほうおんこう)において、ご門主より『親鸞聖人750回大遠忌についての消息(しょうそく)』(以下『ご消息』)を発布いただき、親鸞聖人750回大遠忌法要を2011(平成23)年4月から2012(平成24)年1月までご修行になる旨(むね)がご治定(じじょう)になりました。

ご門主は『ご消息』の中で、聖人のご生涯と浄土真宗の教えの肝要(かんよう)をお説きくださいました。さらに仏教の縁起観(えんぎかん)にたって、地球上のあらゆる生物非生物はつながりを持っているにもかかわらず、人間の自己中心性がもたらした今日の諸問題と一人ひとりのいのちの根本が揺らいでいる現状をご指摘くださっておられます。そして、念仏者としてこころ豊かに生き、平和な世界を築くために貢献すべきことをお示しくださいました。

また、大遠忌を契機として、時代に即応したみ教えを弘(ひろ)め伝える宗門の組織機構を改革し、各寺各地の法要を機縁に工夫をこらした活動を行い、もって宗門の総合的な活動の新たな始まりとなることをご期待されております。『ご消息』のおこころを体して、この21世紀という時代に法灯(ほうとう)を高く掲げて、宗門挙げて諸計画を実施推進いたしたく存じます。

3 「振興計画」の基本的な考え方

全体を貫く基本的な考え方・基調とするコンセプトを、『ご消息』のおこころを体して「新たな始まり~明日の宗門の基盤作り~」と標示いたしました。

このコンセプトは、浄土真宗のみ教えを内外に弘め伝えていくための伝道基盤を大胆に整備・拡充するとともに、これからの時代に即応することのできる宗門や寺院をめざして、創意に富んだ新規方策を展開する「振興計画」の方向性を明確にしたものです。

4 「振興計画」の二つの目標

「振興計画」の目標は、「親鸞聖人750回大遠忌法要の修行」と、「現代社会に応える教学・伝道態勢の構築とみ教えに生きる『人』の育成」にあります。明日の宗門の基盤づくりとして、この「振興計画」を強力に推進していくこととなりました。

5 「振興計画」の重点項目

その目標を具体化する施策として、
《親鸞聖人750回大遠忌法要の修行と記念行事の推進》
  ①法要の修行
  ②記念行事等の推進
  ③協賛行事
《教学・伝道の振興》
  ④伝道態勢の整備
  ⑤時代に即応する教学の振興
  ⑥新たな門徒の誕生(教線の拡充)
  ⑦国際伝道の推進
《寺院活動の推進》
  ⑧寺院の活性化対策
  ⑨過疎・過密対策
《社会的活動の展開》
  ⑩地域社会との交流
  ⑪現代社会への貢献
《次代を担う「人」の育成》
  ⑫人材育成の新規対策
  ⑬既存の人材育成施策の強化
《宗務機能の整備・拡充》
  ⑭宗務機能の点検と拡充
  ⑮境内地等の整備
以上の15の重点項目を構築し、逐次推進されていますが、概要と進捗状況は次の通りです。

(以下のそれぞれの項目へジャンプします)
①「法要の修行」
 宗門を構成する私たち一人ひとりにとって、50年に一度のご勝縁(しょうえん)である「親鸞聖人750回大遠忌法要」は、宗門至重のご法要として、本山での修行のみならず、各寺各地でお勤めいただきたく、さまざまな法要行事について検討が重ねられてまいりました。
まず、本山(本刹)におけるご法要は、2011(平成23)年4月、5月、6月、9月、10月、11月並びに 御正当(ごしょうとう)の2012(平成24)年1月の各9日から宗祖ご命日である16日にご修行され、7月・8月は青少年を対象とした法要や行事を行なう予定であります。また、大谷本廟における大遠忌法要は本山(本刹)での法要に先立って、2009(平成21)年10月12日から16日にいわゆる予修として修行されることとなりました。
 また、直属寺院では、大遠忌のご勝縁に遇(あ)い得た喜びを崇敬区域に弘める上から、各直属寺院で策定の法要計画に基づき修行されることとなります。
一般寺院においても、聖人のご遺徳を偲びおみのりを弘めるとともに、『ご消息』の意を体して「新たな始まり」の具体的実践として、全寺院においてご修行いただくことを目標としています。

②「記念行事等の推進」
750回大遠忌をお迎えするにあたり、『世のなか安穏(あんのん)なれ』をスローガンとして掲げました。このスローガンは、聖人が不安と争いの時代にあって、念仏者のめざす道を示されたお言葉から頂戴したものであります。このスローガンなどを盛り込んだポスターを作成するとともにロゴマークも作成いたしました。多くのメディアを活用して大遠忌法要の広報宣伝活動を行なってまいります。
また、全国主要都市で「本願寺展」の開催も企画されているほか、大遠忌記念出版物の発刊、門前町周辺地域での記念行事開催などの検討を進めています。

③「協賛行事」
 大遠忌に法要の機運高揚と〈新たな門徒の誕生〉や〈寺院や組活動に従来ご縁のなかった方々の参画〉をめざし、新たな取り組みとして「地方都市」と「組」における法要行事を実施いただきたいと考えております。
「‐大遠忌お待ち受け‐地方都市における法要行事」は札幌市・東京都・名古屋市・富山市・大阪市・広島市・高松市・福岡市の八都市で、それぞれの地域性や特色に応じた法要行事を開催いたしたく、準備を進めています。
 「‐大遠忌お待ち受け‐組における法要行事」は、大遠忌の機運を盛り上げることに併せ、第24代即如ご門主組巡教(そじゅんきょう)の成果を受け継ぎ、組が直面する今日的課題を踏まえ、組および寺院活動の活性化をめざして、地域性や実情に応じた独自の計画を策定のうえ、各組主催により修行・開催していただきたく存じます。


④「伝道態勢の整備」
 宗門の綱格(こうかく)を定めた現行の宗門の基本法規は、制定から半世紀を経過しており、大遠忌を機縁として、時代に即応する宗門を目指すうえから、その見直しと整備は重要な課題であります。今後、総局において「浄土真宗本願寺派宗制」改正の意図などを宗門関係者に周知しご理解いただくための措置を講じたうえで、現代社会に即した改正に取り組むとともに、「浄土真宗本願寺派宗法」、「宗教法人『浄土真宗本願寺派』宗規」、「宗教法人『本願寺』寺法」についても審議検討を進めていく予定であります。
 また、700回大遠忌を機縁として門信徒会運動が提唱され、その後、同朋(どうぼう)運動とともに基幹運動として取り組まれ、今日まで大きな成果をあげてきました。宗門の伝道態勢の拡充のためにも、宗門内の論議を深めて、基幹運動のさらなる推進を期してまいります。
また、仏教音楽の充実をはかるとともに、寺院や家庭などで勤めることのできる現代に即した儀礼・法要の創設に向けて作業が進められています。
さらに、いのちの拠(よ)りどころである「ご本尊」(お仏壇)を各家庭にご安置いただく取り組みを促進するとともに「食事のことば」の普及など、日常生活において法縁(ほうえん)が培われるような施策を講じて、現代社会に即した念仏者の生活実践のあり方を具現化していきます。
 また、宗門内外に浄土真宗の教えに基づく提言や発信を行い、そのことが同時に、全国の寺院活動の支援につながるような、マスメディアを利用したさまざまな伝道方策が企画推進されています。

⑤「時代に即応する教学の振興」
今日までの浄土真宗聖典の編纂事業の集大成として、浄土真宗のみ教えの根本となる聖教を網羅し、かつ最新の研究成果を踏まえた『浄土真宗聖典全書』の編纂作業が進められています。併せて、『本願寺史』を全面的に見直し、増補・改訂版の刊行に向けて編纂が行われています。
 また、浄土真宗の救いや喜びを、口に出して繰り返し味わえる文章(仮称「暗唱法文(あんしょうほうもん)」)や、各家庭において日常のお勤めに併せて拝読され、み教えを繰り返し味わうことのできる文章(仮称「拝読法文」)の制作が企画されています。このほか、現代人のこころに響き、悩みに応えることのできる教学のあり方に向けた諸種の取り組みを推進していきます。

⑥「新たな門徒の誕生(教線の拡充)」
 「新たな百万人の門徒の誕生」をキーワードとして掲げ、今まで宗門とのご縁のなかった方々への伝道活動を宗門挙げてさまざまな形で展開いたします。
この施策の一つとして、伸張著しいインターネットを活用し、次世代型の伝道教化策として、ポータルサイト(インターネットの入り口となる大規模ホームページ)を開設します。ここでは、利用者が仏教に親しみ、学び、仏教者としての生活を豊かにするコンテンツ(内容)を提供し、情報の発信だけでなく、利用者のニーズ(思い・悩み・要望)を受け止め、その動向を分析把握することができます。これにより、時代が必要とする地縁、血縁を超えた新たな「縁」を構築して、時間や空間の制約を受けず、家単位のつながりから個人のつながりも重視した寺門関係を築いていこうとするものです。このポータルサイト(オンライン)からの情報受発信や諸活動の展開に伴う受け入れ態勢(オフライン)として、築地別院を中心に場と情報の提供を行なうサロン(人材交流)の開設、各種公開講座・イベントの開催などの新たな門徒の誕生に向けた諸活動の展開や教線希薄な地域への開教拠点の開設など、さまざまな伝道方策を推進してまいります。
 また、宗派の枠組みを超え、幅広い社会的活動を通じて、これまで宗門に縁のなかった人びとに浄土真宗のみ教えに触れていただくための活動が展開できるよう「仏教総合研究所」(法律改正に伴う財団法人設立までは、中間法人として登記)を設立いたしました。そこでは、マスメディアの積極的活用をはかるため、2007(平成19)年4月、人生の意味や生きがいを求めている人たちの求めに応え、宗教から仏教・浄土真宗へといざなう季刊雑誌『ジッポウ』を創刊いたしました。
 こうした、新たな教線の拡充を展開するために、宗派と築地別院・東京教区が連携を深めながら、首都圏宗務機能を拡充して、総合的に取り組みを進めます。

⑦「国際伝道の推進」
 国際伝道に不可欠な人材の育成・研修システムの確立と各種研修プログラムを推進し、広く国際社会に発信していく拠点として、米国バークレー市に2006(平成18)年8月、浄土真宗センターが開設されました。このセンターを中心として、寺院の有無に関係なく世界のどこにあっても浄土真宗のみ教えを学べる「英語通信教育」制度、並びに、海外出身の開教希望者と日本からの希望者がともに学ぶ「開教使養成所」を、おのおの2008(平成20)年9月の開設めざして準備が進められています。


⑧「寺院の活性化対策」
 寺院の役割は、聞法(もんぼう)の道場として、それぞれの地域に根ざした教化活動を進めるところにその基本があります。各寺院は法座活動などの基本的な活動を充実させていくとともに、地域社会の要請に応える取り組みを展開するなど、その地域に密接にかかわりを持つ「開かれた寺院」とならねばなりません。こうした視点から、「寺院活動事例集」(仮称)を発刊し、さまざまな工夫を凝らして教化活動を展開している寺院や組などの事例を紹介いたします。加えて、将来にわたって浄土真宗のおみのりを伝えていくためにも、既存の枠組みを超えて寺院活動が推進できるよう、個々の寺院の状況に焦点を合わせたきめ細かな支援方策を講じてまいります。
 さらに、火災・風水害・地震などあらゆる災害の被災について見舞金の給付を行う寺院の相互扶助制度についても検討が進められています。

⑨「過疎・過密対策」
 過疎地域寺院の活性化方策や伝道活動の支援、過密地域への移転や統廃合、過密地域における寺院や拠点の建立・設置を進めるための資金の貸付や助成などの財的支援を行なう「寺院振興金庫」(仮称)の設立に向けて検討が進められており、これにより抜本的な過疎過密対策の構築をめざしてまいります。


⑩「地域社会との交流」
 環境問題などに対応するうえから「千年の森(本願寺の森)」〔仮称〕事業の検討も進めることとなっており、森林問題や環境保護等を中心に、⑪「現代社会への貢献」で進めているNPO法人の活動と連携した事業展開を検討しています。
 また、宗門では今日まで20年にわたりビハーラ活動に取り組んでおりますが、これまで本願寺独自の施設がなかったため、仏教・医療・福祉が連携した全国のモデルとなるべき施設として、京都府城陽市の本願寺所有地を活用して総合ビハーラ施設を設置いたします。現在、特別養護老人ホーム「ビハーラ本願寺」(特養100人、ショートスティ8人)の建設中であり、一般外来と同時に緩和ケアやグリーフ(家族)ケアなど行い、「専門僧」が常駐して医療スタッフとともにトータルペイン(全人的苦痛)に対応する医療施設「あそか第二診療所」(19床)についても、2008(平成20)年度同時開設をめざして準備が進められています。

⑪「現代社会への貢献」
 現代では、地球的規模の問題解決や社会的使命に「非政府」、「非営利」の立場から取り組むNGOなどの活動が定着をし、さまざまな分野で多大な貢献がなされています。宗門としてこれらの活動にも取り組んでいくため、まず、「平和構築・貧困・環境・災害」を目的としたNPO法人設立にむけて、協議を進めています。
 また、信仰の財産とも言うべき本願寺の貴重な文化財を後世に伝えるため、最新のデジタル技術を駆使して、その保存・公開のための「本願寺デジタルアーカイブ事業」を進めており、2007(平成19)年4月から2009(平成21)年12月までに書院の障壁画(しょうへきが)など約2,400点を高性能デジタルカメラで撮影し、原寸複製が可能なアーカイブ(保存記録)としてデータベース化します。


⑫「人材育成の新規対策」
 宗門内の僧侶や門徒で各界・各分野で活動されている人材の発掘と登用を進めるための「人」の総合ネットワークを構築し、今後の宗門活動に参画いただくシステムを整備していくこととなっています。

 ⑬「既存の人材育成施策の強化」
 み教えに生きる「人」の育成は、宗門の重要な課題であります。現代社会の要請に真摯(しんし)に応えることのできる僧侶、ことに、一人ひとりの苦悩に応えることのできる住職と、伝道意欲にあふれる実践力ある布教使の育成に取り組みます。このため、現行の各種研修システムの抜本的見直しを進めています。同時に門徒推進員の養成と活動の場の確保をより促進する方策を進めていきます。
 み教えとのご縁が疎遠になりがちな青少年を対象とした新たな方策に取り組みます。具体的には、「子どもの声が聞こえるお寺、お寺を子どもの居場所に」を願いとして、本山に「中央キッズザンガ推進委員会」を設置し、「全寺院『子どものつどい』キッズサンガ」を推進します。すべての寺院での開催をめざして、人的支援策として、「少年教化アドバイザー」「サポーター」の養成を行ないます。併せて、さまざまな立場の人がかかわって、「キッズサンガ」を推進することで、寺院が活性化することをめざします。
また、建学の精神を同じくする龍谷総合学園加盟校の充実をはかるうえから、学校間の相互交流のもと、 宗教教育を主軸とした教育連携事業の展開、および各校における宗教系サークルの活性化を促進するなど、宗教的情操教育のさらなる向上をめざします。


⑭「宗務機能の点検と拡充」
 現在の教区・組の区分が設けられて半世紀が経過し、現状にそぐわず対応しきれない状況が生じてきています。今後、宗門内の議論を重ねながら、効率的な伝道組織という視点に立脚した、新たな宗務機能の整備と拡充は取り組みが急がれる今日的課題であります。そのための一環として、宗務ネットワークやコンピュータ会計システムの構築についても具体的作業が進められています。
なお、直属寺院については、それぞれの現状を踏まえながら、統廃合などを含めた対応策が状況に応じて講じられています。

⑮「境内地等の整備」
 ご修復事業完遂後の本願寺御影堂(ごえいどう)を中心とした本刹境内地と大谷本廟(おおたにほんびょう)、さらに周辺施設の整備と拡充については、長期的展望に立って、宗教的景観と機能性を踏まえて検討されています。現在までに「経蔵(きょうぞう)」、「日野誕生院本堂等」の修復を完了しました。大谷本廟では明著堂(めいちょどう)および周辺構築物修復について2006(平成18)年8月より工事に入っており、角坊(すみのぼう)別院についても宗祖ご往生の地にふさわしい、境内地整備案の具体的検討が進められています。このほか、本刹では2006(平成18)年度より3ヶ年計画で御影堂門・築地塀(ついじべい)の修復に入っており、旧参拝志納部分室、旧監正局については2007(平成19)年3月に除却工事が完了しました。旧仏飯所(ぶっぱんしょ)修復については、史跡指定内建物として国庫補助事業として認められ、2006(平成18)年度より2ヶ年計画で修復工事に着工しております。今後、新参拝会館、多目的ホールの建設、御影堂修復工事の関連事業としての「お茶所」の復旧や、国庫の補助を受けて進めている「本願寺防災施設事業」なども含め、本刹境内の総合的な整備が逐次進められています。
 また、創立370周年記念事業を進める龍谷大学と協力して、現本願寺会館を除却してその跡地を活用して推進したいとする、仮称「龍谷ミュージアム」構想は、本願寺や仏教に関する学術資料や文化財の収集保存、調査研究、公開発信を行うほか、伝道院とともに本願寺門前町の主要施設と位置づけ、門前町の活性化を図ろうとするものであります。このため宗門では、同ミュージアム開設に対する助成と伝道院の本格修復を行います。

(宗門長期振興計画推進対策室企画推進部)