○直轄寺院規程

平成24年2月10日

宗則第2号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 執行機関

第1節 宗務室(第8条―第14条)

第2節 職員(第15条・第16条)

第3節 法人の役員(第17条―第20条)

第3章 議決機関(第21条―第29条)

第4章 諮問機関(第30条―第37条)

第5章 監事(第38条・第39条)

第6章 崇敬区域等(第40条―第42条)

第7章 財務

第1節 財産管理(第43条―第51条)

第2節 予算及び決算(第52条―第65条)

第8章 補則(第66条―第72条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この宗則は、宗法第4章及び宗規第4章の規定による直轄寺院の管理運営に必要な基本的事項を定めることを目的とする。

(直轄寺院設立の目的)

第2条 直轄寺院は、総局の統轄のもとに、都市圏における伝道教化の中心道場として、浄土真宗の教義をひろめ、法要儀式を行い、僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者を教化育成し、公共の福祉に貢献することを目的とし、その他この目的を達成するための業務及び事業並びに礼拝の施設などの財産の維持管理を行う。

(住職)

第3条 直轄寺院の住職は、門主が就任する。但し、前門があるときには、門主の認証を得て、前門が住職に就任することができる。

2 住職は、宗務長の進達によって職務を行う。

3 前項の職務については、宗務長が、その責任を負う。

(住職代務)

第4条 直轄寺院の住職代務は、門主代務をもって充てる。

(副住職)

第5条 直轄寺院に、副住職を置くことができる。

2 副住職は、門主の認証を得て、新門が就任する。

3 副住職は、住職を補佐する。

(義務)

第6条 直轄寺院は、宗制宗法宗規及びこれらに基づいて定められた規則を誠実に遵守するとともに、賦課金を宗派に納める義務を負う。

(組、教区への未編入)

第7条 直轄寺院は、組及び教区の区画に編入しない。但し、直轄寺院の門徒又は職員が別に定めるところによって、各種の議員となることをさまたげるものでない。

第2章 執行機関

第1節 宗務室

(設置目的)

第8条 直轄寺院の事務を執行する機関として、宗務室を置く。

(組織)

第9条 宗務室は、宗務長及び副宗務長2人の3人で組織する。

(宗務長)

第10条 宗務長は、教師のうちから総長が当該直轄寺院住職(以下「住職」という。)と協議して指名する2人又は3人の宗務長候補者について、評議会が選挙を行い、その当選人を門主が任命する。

2 宗務長は、宗務室を代表し、その事務を総理する。

3 宗務長の任期は、2年とし、再任されることができる。

4 宗務長は、常に、総局及び直轄寺院が所在する教区との密接な連絡提携を図り、総局の協力を得て、直轄寺院の事務及び別に定める特別開教区の開教対策を推進するものとする。

5 宗務長は、宗会議員を兼ねることができない。

(副宗務長)

第11条 副宗務長は、次に掲げる者について、宗務長が住職と協議し推薦する者を、門主の認証を得て、総長が任命する。

 教師のうちから1人

 直轄寺院の管理職(第1種管理職任用資格試験合格者)のうちから1人

2 副宗務長は、宗務長を補佐し、事務を分担掌理する。

3 副宗務長は、宗務長が退任し、又は欠けたときは、退任しなければならない。

(職務の継続)

第12条 宗務長及び副宗務長は、退任した後でも、後任者が就任するときまで、なおその職務を行うものとする。

(宗務長、副宗務長の代務者)

第13条 宗務長又は副宗務長が、次の各号のいずれかに該当するときは、代務者を置く。

 病気その他の事由によって3か月以上その職務を行うことができないとき。

 死亡その他の事由によって欠けた場合において、速やかにその後任者を選ぶことができないとき。

2 宗務長代務者は、第11条第1項第1号の規定による副宗務長について、総長の申達により、門主が任命し、副宗務長代務者は、宗務長又は宗務長代務者が住職と協議し推薦する者について、門主の認証を得て、総長が任命する。

(宗務室会議)

第14条 次の各号に掲げる事項は、宗務室会議を経なければならない。

 住職に関する事項

 寺則の変更並びに寺則施行細則の制定及び変更に関する事項

 人事に関する事項

 財務に関する事項

 総局の特命する宗務などに関する事項

 特別開教区の基本計画に基づく具体策の実施に関する事項

 適正配置基準に基づく新たな寺院、開教拠点及び活動拠点の設置場所の決定に関する事項

 前各号のほか、宗務長が必要と認めた事項

2 住職は、宗務長の進達により、宗務室会議に臨席することができる。

第2節 職員

(管理職)

第15条 直轄寺院に、管理職4人以内を置く。

2 管理職は、上職の命を受けて、所属職員を指揮監督し、事務を掌理する。

3 管理職は、管理職任用資格試験に合格している者のうちから、総長が宗務長と協議して任命する。但し、必要があるときは、管理職任用資格試験に合格していない者に、当該の職の事務取扱を命じることができる。

(一般職員)

第16条 直轄寺院の事務及び式務に従事するため、一般職員を置く。

2 一般職員は、僧侶又は帰敬式を受けた寺族及び門徒のうちから、総長が宗務長と協議して任命する。

3 一般職員は、上職の指揮監督を受けて、事務に従事する。

第3節 法人の役員

(代表役員及び責任役員)

第17条 直轄寺院に、寺則の定めるところにより、4人の責任役員を置き、そのうち1人を代表役員とする。

2 代表役員は、宗務長を、その他の責任役員は、副宗務長及び総代の互選した者をもって充て、総長の申達によって、門主が任命する。

3 総代たる責任役員の任期は、代表役員の任期に準ずる。

4 責任役員が、第2項に定める該当資格を失ったときは、退任したものとみなす。

(職務)

第18条 代表役員は、法人を代表し、その事務を総理する。

2 代表役員以外の責任役員は、寺則の定めるところに従い、直轄寺院の事務の決定に加わるほか、代表役員を補佐して、直轄寺院の護持興隆に努めなければならない。

3 代表役員及び責任役員は、退任又は任期満了の後でも、後任者又は代務者が任命される時まで、なおその職務を行うものとする。

(代務者)

第19条 代表役員又は責任役員が、第13条第1項各号のいずれかに該当するときは、代務者を置く。

2 代表役員の代務者は、宗務長代務者について、責任役員の代務者は、代表役員又は代表役員代務者が推薦する者について、総長の申達により門主が任命する。

3 代務者は、寺則の定めるところにより、代表役員又は責任役員に代ってその職務の全部を行い、その置くべき事由がなくなったときは、その職を退くものとする。

(仮代表役員及び仮責任役員)

第20条 代表役員は、直轄寺院と利益が相反する事項については、代表権を有しない。この場合においては、仮代表役員が法人を代表する。

2 責任役員は、その責任役員と特別の利害関係がある事項については、議決権を有しない。この場合において、議決権を有する責任役員の員数が責任役員の定数の過半数に満たないことになったときは、その過半数に達するまでの員数以上の仮責任役員を置かなければならない。

3 仮代表役員及び仮責任役員を置くべき事由を生じたときは、宗務長は、その任命を総長に申請しなければならない。

4 仮代表役員及び仮責任役員は、該当事項について、代表役員及び責任役員に代って、その職務を行う。

第3章 議決機関

(設置目的)

第21条 直轄寺院の重要な事項を議決する機関として、評議会を置く。

(組織)

第22条 評議会は、7人の評議員で組織する。

2 評議員は、次の各号に掲げる者について、宗務長の申請により、総長の申達によって、門主が任命する。

 総長

 本山の執行長

 直轄寺院の門徒たる総代 1人

 直轄寺院が所在する教区の教区会議長及び副議長

 宗務長が住職と協議し推薦する有識者 2人

3 前項第3号及び第5号に規定する評議員の任期は、2年とし、再任されることができる。但し、補欠による者の任期は、前任者の残任期間とする。

(職務権限)

第23条 評議会は、次の各号に掲げる事項をつかさどる。

 寺則の変更並びに寺則施行細則の制定及び変更について議決すること。

 年度の事務の基本方針及び開教対策の基本計画について議決すること。

 予算について議決すること。

 財産処分等について議決すること。

 開教対策に必要な不動産の取得と処分について議決すること。

 決算について承認すること。

 財務執行について意見を具申すること。

 開教対策について点検及び評価すること。

 前各号のほか、直轄寺院の諸規則によって評議会の権限に属するものとされた事項に関すること。

2 評議会は、直轄寺院の事務に関する重要な事項について提案することができる。

(議案の事前承認)

第23条の2 宗務長は、前条第1号から第6号に規定する議案を評議会に提出しようとするときは、あらかじめその議案について、総長の承認を得なければならない。

(招集)

第24条 評議会の招集は、住職の承認を得て、宗務長が行う。

2 評議会は、毎年2回、定期に招集する。但し、必要に応じて、臨時に招集することができる。

3 評議員の定数の2分の1以上の者が、緊急の必要を認めて要求するときには、宗務長は、評議会の招集を決定しなければならない。

(定足数、議決数)

第25条 評議会は、評議員の定数の4分の3以上の出席がなければ、議事を開き、議決することができない。

2 評議会の議事は、特別の定がある場合を除いて、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(総局への報告)

第26条 評議会の議事の概要及び評議会が議決又は承認した事項は、速やかに総局に報告しなければならない。

2 総長は、前項の報告を受けたときは、門主に上申するものとする。

(議長その他役員の選任)

第27条 評議会は、議長及び副議長各1人その他必要な役員を選任する。

(住職の臨席)

第28条 住職は、宗務長の進達により、評議会に臨席することができる。

(評議員の経費)

第29条 評議員は、宗門の諸規則に準じて、交通費及び宿泊費その他の手当を受けることができる。

第4章 諮問機関

(設置目的)

第30条 直轄寺院には、諮問機関として、3人以上7人以内の総代及び若干人の参与を置く。

(総代)

第31条 総代は、直轄寺院の門徒又は直轄寺院の崇敬区域内にある寺院の僧侶、寺族及び門徒並びに学識経験がある門徒のうちから、宗務長の進達によって、住職が委嘱する。

(総代の職務)

第32条 総代は、直轄寺院の寺則に定める職務を行うほか、住職及び宗務長の諮問に応じ、直轄寺院の運営に関する重要事項について意見を具申する。

(参与)

第33条 参与は、僧侶、寺族及び門徒のうちから、宗務長の進達によって、住職が委嘱する。

(参与の職務)

第34条 参与は、宗務長を補佐し、直轄寺院の護持発展に努める。

(任期)

第35条 総代及び参与の任期は、4年とし、再任されることができる。

(総代及び参与の解任)

第36条 総代及び参与が、その職務の執行に当り、正しくない行為があったとき、又は僧侶、寺族及び門徒として適正でない行為があったときは、宗務長は、それぞれ他の総代又は参与に諮問し、責任役員会の同意を得た後、住職の承認を得て、解任することができる。

(届出)

第37条 宗務長は、総代及び参与を委嘱又は解任したときは、遅滞なく、総長に届出なければならない。

第5章 監事

(設置)

第38条 直轄寺院の事務の執行及び財産の状況について監査するため、監事2人を置く。

2 監事は、宗務長の申請に基づき、監正局会計監査委員会の監事のうちから監正局長が指名する者が当る。

(職務権限)

第39条 監事は、宗務室から独立した立場において、次の各号に掲げる職務を行う。

 直轄寺院の事務の執行及び財産の状況について監査すること。

 前号の規定による監査の結果、直轄寺院の事務又は財産に関し、不正の行為や事実を発見した場合、これを総局及び評議会に報告すること。

 直轄寺院の事務の執行及び財産の状況について、評議会に出席して意見を述べること。

第6章 崇敬区域等

(崇敬区域)

第40条 直轄寺院の護持発展及び教勢の伸展を図るため、地方の実情に応じて崇敬区域を設ける。

2 崇敬区域は、直轄寺院ごとに総局が決定し、宗告で告知する。

(責任)

第41条 崇敬区域内の寺院並びに僧侶、寺族及び門徒は、直轄寺院の護持発展に努めなければならない。

(直轄寺院設立等の手続)

第42条 直轄寺院の設立、移転、合併又は解散は、常務委員会の同意を得なければならない。

第7章 財務

第1節 財産管理

(原則)

第43条 直轄寺院の財産は、僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者の懇念の結晶であるから、寺則の定めるところに従い、常に良好の状態において管理し、直轄寺院の目的以外の目的のために使用し、又は濫用してはならない。

2 直轄寺院の財産は、寺則に定める場合を除き、これを交換し、貸し付け、又は適正な対価なしに譲渡してはならない。

(財産の区分)

第44条 直轄寺院の財産は、特別財産、基本財産及び運用財産とし、宗務長がこれを管理する。

2 特別財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 本尊、影像その他礼拝の対象となる有体物

 法物

3 基本財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 不動産

 宝物

 基本財産として指定寄附を受けた有価証券、現金その他の動産

 基本財産に編入することを評議会において議決した有価証券、現金その他の動産

4 運用財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 懇志

 基本財産から生ずる果実

 その他特別財産及び基本財産以外の財産並びに雑収入

(財産の管理)

第45条 直轄寺院は、その不動産については、必要な登記をし、基本財産たる現金は、不動産若しくは確実な有価証券に替え、又は確実な銀行に預けなければならない。

2 有価証券は、確実な信託会社に信託又は保護預をするものとする。

3 特別財産及び基本財産の管理の方法については、宗務長は、住職の承認を得た後、総長を経て、門主に上申しなければならない。

(財産管理委員会)

第46条 直轄寺院の特別財産及び基本財産(運用財産については、宗務長の指定したものに限る。)を常に良好の状態において保有管理し、当該特別財産又は基本財産の処分、購入、変更などについて適正な対策を行うため、直轄寺院に、宗務長の諮問に応じる財産管理委員会を置かなければならない。

2 財産管理委員会は、財産管理委員若干人で組織し、直轄寺院の崇敬区域の僧侶、寺族、門徒又は学識経験のある者のうちから、宗務長の申請によって、総長が委嘱し、その任期は、2会計年度とし、再任されることができる。

3 前各項のほか、財産管理委員会が行う財産管理の基準その他必要な事項については、宗達の定めるところに従い、それぞれ当該直轄寺院が各別に決定して、総局に届出るものとする。

(現金の保管)

第47条 運用財産たる現金は、確実な銀行に預けなければならない。但し、やむを得ないときは、宗務長が確実に保管しなければならない。

(物品の保管)

第48条 礼拝の用具、什物、什器及び備品その他金銭以外の動産(消耗品を除く。)は、物品台帳に記載し、確実に保管しなければならない。

(出納職員の責任)

第49条 金品の出納又は保管に関する事務を処理する職員は、その所管にかかる金品を失ったときは、速やかに、自己の過怠によるものでない旨を監事に証明し、監正局会計監査委員会より責任解除の決定を受けなければ、弁償の責を免れることができない。

(財産処分等の手続)

第50条 直轄寺院が、次に掲げる行為をしようとするときは、総代に諮問し、評議会の議決を経て、住職の承認を得た後、宗規第49条の規定による手続を経て、その行為の少なくとも1か月前に、門徒その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示して、その旨を公告しなければならない。但し、公告については、第4号から第6号までに掲げる行為が緊急の必要に基づくものであり、又は軽微のものである場合及び第6号に掲げる行為が一時の期間にかかるものである場合は、この限りでない。

 特別財産又は基本財産を設定又は変更すること。

 特別財産又は基本財産を処分し、又は担保に供すること。

 借入(当該会計年度の収入で償還する一時の借入で、借入金の現在高が一般会計の予算総額の1割以内に相当する金額の場合を除く。)又は保証すること。

 主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替えをすること。

 境内地の著しい模様替えをすること。

 主要な境内建物及び境内地の用途を変更し、又はこれらを直轄寺院の教義の宣布、法要儀式の執行及び僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者の教化育成以外の目的のために供すること。

(財産目録)

第51条 宗務長は、第44条に規定する区分に従い、毎会計年度終了後3か月以内に財産目録を作成して、総代に諮問し、住職の承認を得た後、総長に届出なければならない。

2 財産目録には、財産の名称、種類、員数その他必要な事項を記載しなければならない。

3 総長は、第1項の届出があったときは、門主に上申するものとする。

第2節 予算及び決算

(会計年度)

第52条 直轄寺院の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終るものとする。

(歳入及び歳出)

第53条 直轄寺院の1会計年度における一切の金品の収納を歳入とし、一切の支出を歳出とする。

(量入為出の原則)

第54条 直轄寺院の毎会計年度における経費は、その年度の歳入で、運用財産に属するものをもって支弁しなければならない。

(会計の区分)

第55条 直轄寺院の会計は、一般会計及び特別会計とする。

2 特別会計は、特別の事業を行うため、一般会計と区分して経理する必要がある場合に限り、設定する。

(予算の編成)

第56条 予算は、会計ごとに、歳入及び歳出の区分によって編成しなければならない。

2 予算は、本予算、補正予算及び暫定予算とする。

(予算の区分)

第57条 予算は、必要に応じて経常部及び臨時部に分け、各々これを類、款、項及び目に区分して、その性質及び目的を摘記しなければならない。但し、一般会計にあっては目を、特別会計にあっては類及び目を省略することができる。

(予備費)

第58条 予見し難い予算の不足を補うため、予算中に予備費を設けることができる。

(予算の議決)

第59条 本予算は、会計年度ごとに宗務長が編成して、総代に諮問し、年度開始前の定期の評議会の議決を経て、住職の承認を得なければならない。

(予算の繰越し及び移用禁止)

第60条 年度予算において決定した経費の定額は、他の年度に属する経費に充てることができない。但し、年度内に終る予定の工事その他の事業で、やむを得ない事由によりその経費の支出を終らないものは、事前又は事後に評議会の承認を受けて、これを翌年度に繰り越して使用することができる。

2 歳出予算は、各項に定める目的以外に定額を使用し、又は各項間において彼此移用することができない。

(補正予算)

第61条 本予算の議決後に生じた事由により、予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、宗務長は、補正予算を編成し、総代に諮問し、評議会の議決を経て、住職の承認を得なければならない。

(暫定予算)

第62条 一般会計の年度予算が成立しなかったときは、宗務長は、1会計年度のうちの一定期間にかかる暫定予算を編成し、あらかじめ総長の承認を得た後、住職の承認を得なければならない。

2 暫定予算の編成は、1度限りとし、その期間は、3か月を超えてはならない。

3 暫定予算は、当該年度の予算が成立したときは、失効するものとし、暫定予算に基づく収入及び支出又は負担は、これを当該年度の予算に基づいてなしたものとみなす。

4 総長は、第1項の規定による承認をしたときは、門主に上申するものとする。

(決算)

第63条 決算は、毎会計年度終了後3か月以内に、予算と同一の区分により宗務長が作成し、監正局会計監査委員会の検査を経て、住職に報告し、その検査報告とともに、翌年度の最初の定期の評議会に提出して、その承認を求めなければならない。

2 決算には、監正局会計監査委員会の検査報告のほか、当該会計年度末現在の財産目録、貸借対照表、説明書並びに業務及び寺務の執行に関する成果表を添えなければならない。

(剰余金)

第64条 決算に剰余を生じたときは、これをその翌年度の歳入に繰り入れるものとする。

2 前項の規定にかかわらず、評議会の議決を経て、剰余金の一部又は全部を基本財産に編入することができる。

(会計事務)

第65条 会計事務は、会計規程(昭和28年宗則第12号)の規定に準じ、当該直轄寺院の経理状況に関しては、いつでも明瞭にして、かつ、真実な認識が得られるように運営されなければならない。

第8章 補則

(公益事業等)

第66条 直轄寺院は、浄土真宗の教義に基づき、第2条の目的に反しない限り、公益事業又は公益事業以外の事業を行うことができる。

2 前項の事業を経営するときは、宗務長は、その名称、目的、事業その他必要な事項を記載して、総長に届出なければならない。

(講社)

第67条 直轄寺院は、その目的の達成に資するため、講社その他の所属団体を組織することができる。

2 講社その他の所属団体を組織したときは、宗務長は、前条第2項の規定に準じ、総長に届出るものとする。

(事務引継)

第68条 宗務長の更迭があったときは、速やかに責任役員が立会い、事務引継を行い、引継書を2通作成し、その副本を総長に提出するものとする。

2 引継書には、概ね次の各号に掲げる事項を記載し、立会った責任役員及び更迭した宗務長が署名押印し、引継現在の財産目録の写及び貸借対照表を添付しなければならない。

 引継をした事業及び事務の概況

 金品の収支、保管の状況及び計算の基礎を証明することのできる一切の書類の整備の状況

 不動産その他の財産の登記簿謄本等の整備の状況

 宗務長及び責任役員の意見

 前各号のほか、必要な事項

(準用規定)

第69条 宗規第13条(欠格)の規定は、直轄寺院の法人の役員その他の役員の欠格について、寺院規程(昭和27年宗則第15号)中、第30条の規定は、直轄寺院の備付表簿について、第42条の規定は登記に関する届出について、第43条の規定は報告について、それぞれ準用する。この場合において、同規程第30条中「寺族名簿及び坊守名簿」とあるのは「職員名簿、総代名簿及び参与名簿」と読み替えるものとする。

(残余財産の帰属)

第70条 合併及び破産の場合を除いて、直轄寺院が解散した場合の残余財産は、本願寺に帰属するものとする。

(施行細則)

第71条 直轄寺院の寺則の施行に必要な事項は、評議会の議決を経、住職の承認を得た後、宗規第48条の規定による手続を経て細則で定める。但し、細則で委任された事項に関しては、あらかじめ総長の承認を得て、宗務長が内規で定める。

2 前項の規定による規則その他公示などを発布したときは、速やかに総局に報告しなければならない。

(宗達への委任)

第72条 この宗則の施行に必要な事項は、宗達で定める。

1 この宗則は、平成24年4月1日から施行する。但し、本則第2章、第3章及び第7章第2節の規定は、発布の日から適用し、次の各号に掲げる準備措置を講じるものとする。

 第2章の規定による宗務長の選任及び宗務室の組織並びに職員の任命に関すること。

 第3章の規定による評議会評議員の選任及び評議会の組織に関すること。

 第59条の規定による平成24年度の本予算の議決に関すること。

2 この宗則施行の際現に直属寺院規程(昭和28年宗則第2号)に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院の住職、住職代務又は副住職たる者は、この宗則による直轄寺院の住職、住職代務又は副住職とみなす。

3 この宗則施行の際現に直属寺院規程に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院の代表役員は、この宗則施行後最初の直轄寺院代表役員が任命されるときまで、この宗則による直轄寺院の代表役員の職務を行うものとする。

4 この宗則施行の際現に直属寺院規程に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院の門徒たる者は、この宗則による直轄寺院の門徒とみなす。

5 この宗則施行の際現に直属寺院規程に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院の総代たる者は、この宗則による直轄寺院の総代とみなす。但し、その任期については、従前の規定により、従前就任の日から起算する。

6 この宗則施行の際現に直属寺院規程に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院の参与たる者は、この宗則による直轄寺院の参与とみなす。但し、その任期については、従前の規定により、従前就任の日から起算する。

7 この宗則施行の際現に直属寺院規程に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院が所掌する業務及び寺務は、この宗則に基づく直轄寺院が引き継ぐものとする。

8 この宗則施行の際現に直属寺院規程に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院が、従前の規定により、総代に諮問し、総長の承認を得た予算は、この宗則による直轄寺院の初年度の予算とみなす。

9 総局は、この宗則施行の日にかかわらず、この宗則による直轄寺院の設置及び管理運営について必要な準備措置を講じることができる。

10 総局は、この宗則施行の日にかかわらず、現に直属寺院規程に基づき設置された直属寺院で、この宗則に基づく直轄寺院に改組される直属寺院に勤務する者を、この宗則による直轄寺院の職員として勤務できるように人事上の措置を講じなければならない。

(平成26.3.21―宗則6号)

1 この宗則は、平成26年4月1日から施行する。

2 前項の規定にかかわらず、総長、監正局長及び直轄寺院の宗務長は、この宗則の施行に必要な準備措置を講じるものとする。

(令和3.2.19―宗則3号)

1 この宗則は、令和3年4月1日から施行する。

2 前項の規定にかかわらず、総局は、あらかじめ必要な準備措置を講じることができる。

(令和4.2.22―宗則4号)

1 この宗則は、令和4年4月1日から施行する。

2 前項の規定にかかわらず、総局は、あらかじめ必要な準備措置を講じることができるものとする。

直轄寺院規程

平成24年2月10日 宗則第2号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第3編 寺院・僧侶・坊守/ 寺院関係
沿革情報
平成24年2月10日 宗則第2号
平成26年3月21日 宗則第6号
令和3年2月19日 宗則第3号
令和4年2月22日 宗則第4号