親鸞聖人750回大遠忌法要は無事円成いたしました。多くの方々のご参拝、誠にありがとうございました。
親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画

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境内地整備事業について 『宗報』2009(平成21)年4月号掲載 新たな始まり 親鸞聖人750回大遠忌宗門長期進行計画の現状 vol.16
親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画「宗務機能の整備・拡充」のうち、重点項目⑮「境内地等の整備」において境内諸建物の整備事業に取り組んでいます。

1 はじめに

長い本願寺の歴史の中で、50年ごとに修行される宗祖大遠忌法要に合わせ、その時代に応じた境内諸建物の整備が行われてきました。

このたび修復する建物、除却新築する建物などの計画案は、親鸞聖人750回大遠忌準備委員会第4分科会において種々検討が重ねられたものを基に、宗教的尊厳とやすらぎを備えた空間としての本願寺の総合的整備を行うことを基本として、長期振興計画推進協議会第2部会においても引き続き検討されながら、さまざまな境内整備事業が進められています。

2 各除却工事

これまで境内各所には、白洲便所や参拝接待所など、各ご法要に併せて整備された施設がありました。それぞれの時代に応じて十分に検討のうえ建設し、多くの参拝者を受け入れてきた施設でした。しかしながら、長い年月を経て、万全といえる設備ではなくなってきていました。

このため、接遇を向上させ、本山としてのあるべき空間と、参拝者の動線、かつ利便性を極力失うことがないよう考慮し、必要と思われる設備を集約するため、白洲便所や旧参拝接待所などの建物を除却いたしました。

3 北境内地南東角隣接地購入と両堂門・築地塀

従来より、店舗や駐車場が並んだ堀川通りから北境内地に到る北境内地南東角地は、本願寺にとっても多目的な活用が見込め門口(かどぐち)的な重要な土地であることから、宗会の議決を経て取得いたしました。
また、本願寺の表玄関でもあります御影堂門・築地塀を修復する事業が進められました。(詳しくは宗報2009年2月号をご参照ください。)
御影堂門は屋根の葺き替えおよび門扉の修理、阿弥陀堂は、傾斜があり雨天時に滑りやすいと指摘されていた石畳も不陸の調整が行われました。
修復前の御影堂門修復前の御影堂門
修復後の御影堂門修復後の御影堂門

4 お茶所

お茶所は、江戸時代、親鸞聖人500回大遠忌法要を迎えるにあたり、阿弥陀堂が再建される際、講社が大工への湯茶接待を行った功績から、第17代法如宗主より阿弥陀堂の余材で建立することが許され、二百数十年という長きにわたり、参拝者への湯茶接待、参拝者の休息の場として守られてきました。(詳しくは宗報2009年1月号をご参照ください。)
このたびの御影堂の修復に合わせて、工事資材の搬入路の確保のために解体・保存されていましたが、10年に及ぶ修復工事の総仕上げとして、耐震構造・トイレ・バリアフリー設備など、多くの参拝者・観光客を受け入れることができる案内施設として内装を整え、復旧されます。

5 経蔵

経蔵(きょうぞう)は、1678(延宝6)年、第13代良如宗主の17回忌にあたり、第14代寂如宗主が建立されたと伝えられます。
このたびは、屋根の葺き替え、また内部にある大蔵経の虫除け、経蔵を考案した傳大士(ふだいし)、他の木像の顔料の剥落止めも併せて行われました。なお、修復されて以降、毎年4月にご修行される春の法要(立教開宗記念法要)で公開されています。
経蔵経蔵

6 旧仏飯所

旧仏飯所は、両堂へお供えする毎日のお仏飯を炊き上げ、お盛付けする場として、1685(貞享2)年、第14代寂如宗主が建立されと伝えられます。その後、それぞれのご法要に合わせ修復され、昭和初期まで使用されてきました。(詳しくは宗報2008年9月号・10月号をご参照ください。)
江戸時代の宗教的特徴を現代へ伝え、また、独立している仏飯所として文化財としても貴重であり、このたびは、基礎となる石垣の沈下が著しいことから、石垣の積み直し、屋根の全面葺き替え・漆喰の塗り替えなどを行うなど、国の補助を受け文化財としての修復を行いました。
旧物飯所旧物飯所

7 新参拝施設新築

これまで御影堂の南隣には、親鸞聖人御誕生800年記念事業の際に建設された参拝志納部分室がありました。しかしながら、空調設備の不良、バリアフリーを施していないなど、すべての人が快適に使用できる環境とはいえませんでした。このため、御影堂の修復完了に伴い本来の両堂形式の境内地を整え、従来と同様、参拝者の動線が御影堂中心に戻ることが想定されることから、本願寺に来山するすべての人々に、必ず御真影(ごしんねい)様を礼拝いただきたいとの願いから、御影堂に隣接した場所に新しい参拝施設の建設工事を進めています。

また、御影堂、書院、滴翠園(てきすいえん)など歴史的建造物と隣接していることを考慮し、入母屋(いりもや)瓦葺きの外観とするなど、景観面を十分に考慮しています。

8 その他

これまで種々概要を示してまいりましたが、一つひとつの工事・修復について、十分に検討を重ね、慎重かつ速やかに進められてきました。
また、今後の予定として、白洲における石畳の整備や白洲の排水設備など、さまざまなインフラ整備も推進する予定です。