本願寺のデジタルアーカイブで使用されているカメラシステムは、世界にたったひとつしかないものです。
このカメラシステムでは、デジタルハイビジョンテレビの250倍=有効画素数およそ5億画素、障壁画を原寸複製することが可能な超高精細画像で撮影することができます。
このシステムは、現在すでに製造中止になっている大判カメラ用レンズを8×10判(エイト・バイ・テン)と呼ばれる大判カメラに装着し、フィルムの替わりに世界最高水準の画素でデジタル撮影できるデジタルセンサー(カメラバック)を取り付けるというシステムです。
これによって、大判カメラの中に映し出される障壁画を4分割で撮影して、光が乱反射する金箔地の影響を受けることなくひとつにつなげることができます。
まさしく、フィルムカメラとデジタルカメラが共存する過渡期の“今”だからこそ組むことができたカメラシステムです。
ただし、このシステムで障壁画1枚撮影するために必要な時間は、4分割撮影でおよそ2時間です。また、撮影の間たった1回数ミリでも振動しただけで、画像がぶれるため、再撮影になります。
それらの時間的なロスを限られた撮影期間内で相殺するため、原寸複製の作成に必要な画像を撮影するためのもうひとつのシステムとして、簡易レールの上を移動する天井画専用のカメラシステムも導入されました。
これら2つのカメラシステムによって、昨年末までに障壁画・天井画の約80%の撮影を完了しています。

導入されたカメラシステム
「貼り付け」の撮影の様子
天井画の撮影の様子
(担当 財務部)