寺院サポート講座

寺院サポート講座について

ご住職をはじめ僧侶、坊守、寺族、門信徒など、お寺の持続的な発展を導く人や協働する人に向けた、それぞれの立場でこれからのお寺づくりに役立てていただくための講座です。
「お寺のビジョン作成研修」は、「寺院サポート講座」のカリキュラムです。是非ご参加ください。

お寺のビジョン作成研修について

全4回の研修を通じて、ご自坊の「寺院運営計画書」を作成します

各ご寺院におかれましては、お寺を取り巻く厳しい環境の変化に対応して、法要・行事の見直し、お寺を会場とした葬儀や伝わる伝道、境内施設のバリアフリー化、開かれたお寺作りとして寺子屋・マルシェ・避難所・建物の有効活用、家族の広域化に対応する合同墓の建設、さらに認知度アップのための情報発信、業務の効率化、DX化等についてご検討、または既に取り組まれていることと存じます。
この研修では、全4回の講義を通じて、それぞれご寺院の特色を生かした「寺院運営計画書」を作成きただきます。研修内容は以下の通りです。

参加寺院募集中! お申込みに関する情報はこちら

✔ 激動の時代に求められるお寺の姿を見つける!
✔ 一緒に受講することでお寺の一体感が高まる!
✔ 「何をしたらいいか」が見えてくる!


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■お寺のビジョン作成研修<全4回の概要>

・第1回 お寺を取り巻く環境と受け手の変化を見てみよう!

日本史上、前例のない人口減となり、外部環境は劇的に構造変化しています。これからのお寺の在り方について、受け手視点で具体的に考えます。

・第2回 無形の価値の視点から自坊の強みを見出し、ビジョンを描こう!

無形の価値とは、個々のお寺が持つ目には見えない力のこと。大きく分けると、①使命・ビジョン、②人の力、③組織の力、④関係性の力の4つに分類して、自坊の潜在的な強みを明らかにし、将来像(ビジョン)を描きます。

・第3回 受け手の視点から寺院運営計画を具体化しよう!

これからは、門信徒や地域の人のみならず、もっと広い視野で「お寺が選ばれる」ことを意識して取り組む必要があります。世の中の手法(マーカティング)を使って、受け手視点での「寺院運営計画書」作成のヒントを学びます。

・第4回 寺院運営計画書を発表しよう!

これまでの研修を踏まえて作成した「寺院運営計画書」を発表します。他の受講寺院の発表からも学びあいます。「自坊のこれから」の新たなスタートです。

■寺院運営計画書

お寺が実践する事業計画を、論理的かつ具体的に表現するため、計画に必要な5つの構成要素を段階的に標記する枠組みが「寺院運営計画書」です。第1回から第3回の講義で、計画書全体の構造を網羅します。最終的にご自坊の「寺院運営計画書」を作成することができます。

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受講寺院・研修修了者(講師)の声

2018年度よりモデル研修を実施しています。これまでの修了寺院は242カ寺です。
●2018年度 21カ寺  51名 ※申込21カ寺 51名
●2019年度 57カ寺  124名 ※申込66カ寺141名
●2021年度 45カ寺  82名 ※申込54カ寺 97名
●2022年度 84カ寺  164名 ※申込96カ寺180名
●2023年度 35カ寺  72名 ※申込35カ寺 66名


■受講寺院の声

寺院の置かれた状況が異なっても...
寺院の置かれた状況が異なっても、課題の捉え方や課題へのアプローチの仕方などには参考にできる点が多く含まれていることに気付くことができました。

違った視点からの見方に気付かされました
自坊に「無い」ものばかり見てこの先のことを悩んでいましたが、ウィークポイントに見えたものがそうでもなかったり、門信徒さんも巻き込んで得意分野を生かしあえたら良いなど、違った視点からの見方に気付かされました。

強みを活かしながら取り組むことをことができるようになった
具体的なビジョンを持ち、受け手の視点に立って、強みを活かしながら取り組むことをことができるようになりました。

自坊をどうしていきたいのか方向性が明確になった
講義を通して、私自身が自坊をどうしていきたいのかというのが言語化され、皆さんのご意見を受けてより方向性が明確になりました。

今後のお寺のあり方を一緒に考える事ができた
寺族の方の考えておられる事を知る事ができました。また、今後のお寺のあり方を一緒に考える事が出来ました。

■アンケート結果

2023年度モデル研修(第4回)
受講者:35カ寺(72名)
回答者数:15名

講義満足度(有意義以上100%)

非常に有意義だった
有意義だった
どちらでもない
あまり有意義ではない
まったく有意義ではなかった

オンライン満足度(良かった以上100%)

非常に良かった
良かった
どちらでもない
良くなかった
とても良くなかった

おすすめ度(すすめたい以上100%)

是非勧めたい
勧めたい
どちらでもない
勧めない
まったく勧めない

■受講寺院の声を紹介

「敷居の低いお寺」を目指して

2022年度受講
備後教区比婆組勝光寺 住職 渡邉信樹さん

 以前から自坊の護持会で永代墓の建立についての意見は挙がっていました。永代墓を作ったとして、それをどのように運営していけばいいのか迷っていたときに本講座を知り、受講しました。
 学んでいく中で、永代墓は「お寺とご縁のなかった方々とのご縁作り」に格好の素材だということが理解できました。そこで、受講とほぼ並行して永代墓建設の計画を進め、1年後に完成させることができました。併せて、ホームページ・フェイスブック・インスタグラムを開設し、お寺の情報発信を始めました。
 目指しているのは「敷居の低いお寺」です。お寺の敷居を下げるため、境内でマルシェを開催することを考え、ご門徒の皆さんにアンケートをとりました。しかし、「マルシェに行く」との回答が予想外に低く、計画を中止したこともありました。
 今後も地域の中で寺院として何ができるかをリサーチしながら「敷居の低いお寺」の実践を続け、ご縁作りの活動を続けようと思います。


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ご門徒との繋がりを強くするため改革中

2021年度受講
東京教区栃木南組安養寺 寺院後継者 中臣 拓さん

 お寺とご門徒との繋がりの希薄さが、自坊の一番の課題でした。月2回の常例法話会がありますが、来られる方は少なくいつも決まった方々。初めてお顔を拝見するのがお葬儀、という方が少なくない、そんな状況でした。お寺を広く知ってもらい、ご門徒や社会との繋がりを強く持つために何をすべきか、解決の糸口を見つけるために「悩んだらとりあえずやってみる」そんな気持ちで受講をスタートしました。  講座を通していく中で「自分がすべきことは何か」具体的なビジョンが少しずつ浮かび上がっていきました。この講座の特徴は、一方的に話を聞くだけでなく、練り上げた考えを共有したり、同じ悩みを抱える方々と話す時間が多くあることかと思います。アウトプットすることで自分の考えがまとまり、モチベーションにも繋がりました。
 現在、工事が進む本堂改修の様子をSNSで公開したり、寺族間での情報共有やご門徒との繋がりを強くするためのDX化を進め、本堂落成(ハード面)と共に、ソフト面を改革中です。


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新たな幕開けの手ごたえを感じています

2022年度受講
岐阜教区岐稲組長光寺 住職 川島俊樹

 意気揚々と寺を継いではみたものの、お参りが減り、門信徒が離れ、寺の存在感が薄くなる中、このままでは50年・100年先が見通せないという危機感に苛まれていました。そんな折、たまたまチラシで見かけたのが、お寺のビジョン作成研修でした。
 お寺業界では一般的に対極にあると思われている「企業的」アプローチを通じて、業界の置かれた状況だけでなく、自坊の現況、長所と短所を客観的に見ることができました。そして、これまで試行錯誤しながら取り組んできた各事業の位置付けを見直し、新たな機軸で再統合することで、寺として進むべき方向が明確になりました。また何より、共に受講した各寺院の皆様の熱意と圧倒的な行動力から、大きな刺激を受けました。
 この研修で得た寺院運営に対する思いを、門信徒の皆さんにも寺報や法要を通じて伝えたところ、仏教婦人会が交流の場として「あじさいの会」を自発的に立ち上げ、新たな幕開けの手ごたえを感じています。

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今まで以上にご門徒の方々の声に耳を傾けたい

2022年度受講
東京教区北組寶林寺 住職 羽田慶子さん

 この度、研修の存在を知り参加したいと思いましたが、住職を承継して間もない私一人では心許なく感じ、総代に参加をお願いしたところ快く引き受けて下さいました。
 研修中には、「ビジネスレベルの研修会だね」などと感嘆の声も上がりました。また、総代から、研修内で共有される統計的な数値や全国のお寺の具体的な事例を通じ、お寺を取り巻く環境の急速な変化や、それに伴いお寺の存在自体が脅かされかねないという所属寺の課題を実感したとのお声も頂きました。
 今回の研修を通じ、お寺の常識が世間一般の常識とは大きく異なることを痛感し、今後は今まで以上にご門徒の方々の声に耳を傾けることを大切にし、取り入れていきたいと考えております。研修で講師から頂いた新たな角度からのアドバイスと沢山の話し合いを通して完成した計画書を軸に、み教えをひろめつつ、ご門徒の方々に求められるお寺となるべく新たな取り組みを実践して参ります。



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次代へつなげていく具体的なビジョンが見えてきました

2022年度受講
安芸教区安芸南組来生寺 住職 松浦宣洋さん
坊守 松浦南子さん

 有料の橋が架かる瀬戸内海の島。少子高齢化、過疎化が進み、御法義だけど保守的な土地柄。寺院子弟は娘2人。これがうちのお寺を取り巻く環境です。お寺の将来について悩みながらなかなか行動に移せないでいたある日、本願寺新報でこの研修会の告知を見て、思い切って電話で問い合わせ受講を申し込み、それから「一緒に受講しましょう」と住職を説得しました。
 最初住職は気乗りしない様子でしぶしぶの参加でしたが、受講生の皆さんとオンラインで交流し励まされ、悩みを抱えているのはうちだけじゃない、いやいや、なるほど、うちのお寺にはこんなセールスポイントがあるんだ!という事に気づき、寺院運営計画書を書き上げました。
 そのアクションの1つを1月の総代会に諮ってみたところ、「御院さん、坊守さん、具体的に動いてみてください。」と言われ、現在実現に向けて関係各所と協議中です。最初の一歩を踏み出すのはしんどいです。でも、代々続いてきたお寺を活性化させ、次代へつなげていく具体的なビジョンが見えてきました。娘2人は昨秋得度をし、家族4人で相談しつつ歩む日々です。




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時間・距離・世代を越えてつながるお寺を目指し、アクションを起こしていきたい

2022年度受講
大分教区豊後高田組榮法寺 住職 大畑智海さん
坊守 大畑志保さん

 当寺は、住職継職したばかりのタイミングで受講しました。過疎化や門徒数の減少など課題が山積している状況で、何をすることで改善に向かうか悩んでいたタイミングでした。
 寺院を運営するという視点で様々な講義があり、あらゆる可能性を大切にすること・まずやってみることの重要性を感じました。受講を通じて、先生方や他のお寺の方たちの前向きな言葉に刺激をもらえましたし、他寺の取り組みについても伺うことができ励みになりました。また、普段は仕事や子育てに追われていて、坊守とお寺についてじっくり話す機会がありませんでしたが、受講することでお互いの想いを聴き、それを計画にのせることができました。
 自分たちには短所に思える点も、角度を変えると長所と考えることができると気づかせていただけたからこそ、運営計画を立てることができたように思います。時間・距離・世代を越えてつながるお寺を目指し、アクションを起こしていきたいと思います。



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わくわく、たのしく、ほっこりと

2018年度モデル研修受講
山陰教区大田西組西楽寺 住職 菅原昭生さん(講師)

 それまでの私(自坊)は、日々沸き起こる問題に対して、ただアタフタとその場凌ぎの対応に明け暮れて、結局、空しい疲労感が残るだけでした。ところが、この研修を通じて明確なお寺のビジョンを持ったとき、お寺の動き一つ一つが意味をもち、ストーリーとして繋がりました。
 そして折しも、作成した寺院運営計画書を実行に移そうとする時、新型コロナウィルス感染症が流行し、アクションを中断せざるを得ない状況となりました。しかし、そんな中でも、この研修で学んだ考え方(外部環境・無形の価値)を踏まえて、このタイミングで為すべきアクションを起こすことができたと思います。その典型は、ご門徒と1対1で繋がる公式LINEアカウントの導入、リモート仏事の対応、Youtube での法座ライブ配信です。
 超過疎地にある当寺では、ご門徒の約4割が県外在住の「離郷門徒」です。そのため、お寺と離郷門徒を結ぶとき、距離的・時間的な隔たりが大きな障害となります。しかし、オンラインという手段の導入によって、そのハードルを超えることができたわけです。この研修で学んだ世の中の手法(マーケティング)がここでも活用されました。




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Família de Sangha ~おみのりでつながる教覚寺ファミリー~

2018年度モデル研修受講
東京教区静岡西組教覚寺 住職 南荘摂さん(講師)

 この研修を受けて一番よかったのは、妻(当時若坊守)とお寺についてとことん話し合うことができたことです。日々の業務や子育てに追われていた私たちは、普段お寺のビジョンについて語り合うこともありませんでしたが、この研修がきっかけとなり、色んなことを話すようになりました。また、我々寺族以外のご門徒さんの声も聞かせていただくことで、私たちにはない視点も加わりました。
 その中で、お寺のホームページをより時代に即したものとする必要性を感じ、行動計画の一つに記しました。2022年の継職を機に、計画通りホームページをリニューアルすることができ、あらためて計画書の中身が具現化されていく喜びを感じます。https://kyogakuji.jp/
 コロナ前の計画書なので想定外なことも多々ありますが、それこそ行動計画などは時代に合ったやり方で常に書き換えていくものでもあると思いますので、少しずつビジョンに近づけるように、これからも「チーム」で頑張っていきたいと思います。

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お問い合わせ

浄土真宗本願寺派 僧侶養成部 <布教使担当>
〒600-8501 京都市下京区堀川通花屋町下る 浄土真宗本願寺派宗務所内
TEL:075-371-5181(代表)
MAIL:jiin-support@hongwanji.or.jp