親鸞聖人750回大遠忌法要は無事円成いたしました。多くの方々のご参拝、誠にありがとうございました。
親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画

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増補改訂 本願寺史 第一巻の発行について 『宗報』2010(平成22)4月号掲載 新たな始まり 親鸞聖人750回大遠忌宗門長期計画の現状 vol.27
宗門長期振興計画の重点項目⑤「時代に即応する教学の振興」のうち、浄土真宗聖典シリーズ等の編纂の一環として、約50年ぶりとなる『本願寺史』の改訂事業に取り組んでおり、このたび、第一巻を発刊いたしました。

1.発刊の目的

『本願寺史』の編纂は、親鸞聖人700回大遠忌の記念事業として1956(昭和31)年に本願寺史編纂所において編纂が着手されました。法要が修行された1961(昭和36)年に第1巻が政治・経済・社会等の分野を導入した総合的な研究書として発刊されました。その後、編纂は本願寺史料研究所に引き継がれ、第2巻が1968(昭和43)年に、第3巻が1969(昭和44)年に逐次刊行されたのでした。

およそ50年の間、本願寺史料研究所では本願寺所蔵の史資料の調査をはじめとして、各地寺院調査を通じて多くの史資料を収集してきました。この間、真宗史研究の進展に伴い数多くの研究成果が発表され、親鸞聖人に関する研究のみならず、本願寺の歴史に関わる研究についても新たに叙述すべきことが多くなってきました。

このたび、親鸞聖人750回大遠忌の記念事業として、親鸞聖人と宗門の歩みを再度確認し、今後の宗門の歩むべき道を探るとともにさらなる発展に寄与するために、増補改訂『本願寺史』の編纂を進めてきました。本書は旧版を継承しつつ、新たな史資料や蓄積された多くの研究成果を取り込んで編纂することとなり、第1巻を発刊するに至りました。今後、逐次、続巻を刊行します。

2.増補改訂第1巻の内容

第1巻は親鸞聖人から顕如上人まで、平安時代末から戦国時代までの中世を叙述対象としています。内容構成は次の通りです。

第1章 宗祖親鸞聖人の生涯

1.誕生と出家 2.六角堂の夢告 3.吉水時代 4.念仏弾圧 5.妻と子供たち
6.越後から関東へ 7.関東での活動 8.門弟たち 9.帰洛 10.善鸞事件
11.晩年の著作と書写 12.最晩年と示寂 .宗祖に関する伝承

第2章 大谷廟堂の建立と推移

1.覚信尼と大谷廟堂 2.廟地の寄進と留守職 3.覚如宗主の前半生と廟地の拡張
4.大谷廟堂をめぐる争い 5.覚如宗主の留守職就任

第3章 本願寺の形成

1.大谷廟堂から本願寺へ 2.三代伝持の血脈説と如信宗主 3.覚如宗主と存覚
4.覚如宗主の晩年

第4章 初期本願寺の展開

1.晩年の存覚と従覚 2.善如宗主と綽如宗主 3.巧如宗主と北陸の寺々
4.存如宗主の教化活動 5.本願寺両堂の建立

第5章 本願寺教団の成立

1.蓮如宗主の前半生 2.宗派の誕生と寛正の法難 3.吉崎下向と文明一向一揆
4.山科本願寺建立と他派の参入 5.長享一揆と宗主の晩年

第6章 戦国期教団の伸張

1.実如宗主の継職前後 2.証判御文章と永正3年の争乱 3.三法令と帖内御文章
4.大永一揆と東国・西国の教線

第7章 戦国期教団の構造

1.享禄錯乱と畿内天文一揆 2.大坂本願寺と畿内寺内町
3.領国加賀と本願寺支配権 4.教団の結集形態と本願寺の諸役
5.戦国期の文化と芸能

第8章 本願寺と織豊政権

1.顕如宗主の門跡成 2.三河一向一揆と加越闘諍 3.石山合戦
4.信長との和睦と寺基移転
親鸞聖人の生涯ついては、歴史研究の立場から史上の聖人像を詳述しました。そして聖人の廟堂がやがて本願寺へと展開する歴史的過程も丁寧に追いました。続く戦国期については、勢力を伸張すると同時に戦乱に巻き込まれる本願寺、その時代を生き抜いてきた実像に迫りました。
また関係写真を多く取り入れ、表現も平易にして、活字も大きくして旧版より読みやすく、見やすい体裁にも配慮をしています。 (本願寺史料研究所)