親鸞聖人750回大遠忌法要は無事円成いたしました。多くの方々のご参拝、誠にありがとうございました。
親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画

大遠忌法要


法要のご案内

イベント情報

映像・音楽配信

安穏灯火リレー
教学シンポジウム 『宗報』2008(平成20)10月号掲載 新たな始まり 親鸞聖人750回大遠忌宗門長期計画の現状 vol.11
本願寺教学伝道研究所では、宗門長期振興計画の重点項目⑤「時代に即応する教学の振興」にかかる企画の一つとして、2006(平成18)年から2011(平成23)年まで、総合テーマを『現代に生きる親鸞聖人』として、教学シンポジウムを開催しています。

1 宗門長期振興計画における教学シンポジウム

大遠忌(だいおんき)法要の年まで6年にわたり、一貫した総合テーマのもと開催する「教学シンポジウム」は、いままでにない、まさに長期振興計画ならではの企画です。

総合テーマ「現代に生きる親鸞聖人」のもと、さまざまな角度からうかがおうと、各シンポジウムごとに次のようなテーマを設定しています。

第1回 史実と伝承の聖人像
第2回 念仏の源流
第3回 浄土
第4回 日本の風土と浄土真宗(仮)
第5回 現代における浄土真宗(仮)
第6回 世界に広がる浄土真宗(仮)

また、講演録も随時刊行していきますので、当日の臨場感をもってあらためて読み返すことができます。
第1回教学シンポジウムの様子
第1回教学シンポジウムの様子

2 いままでに開催されたシンポジウム

2006(平成18)年から始まった「教学シンポジウム」は、大遠忌を迎えるに当たって、まず第1回は焦点を宗祖の生涯に絞(しぼ)り、続いて第2回では、浄土真宗において最も大切な「念仏」に焦点を絞って開催しました。

宗祖の生涯に関する伝承を節談説教(ふしだんせっきょう)でお聴聞(ちょうもん)したり、念仏の流伝の要因の一つとも言える「五会(ごえ)念仏(ねんぶつ)作法(さほう)」の声明をお聞かせいただくという、単なる聴講だけではない、立体的なプログラムで開催しました。
声明「五会念仏作法」
声明「五会念仏作法」
節談説教「山伏弁円」
節談説教「山伏弁円」

3 今年のシンポジウム

今年の教学シンポジウムは「浄土」がテーマです。

宗祖の明らかにされた、浄土真宗の根幹となる「浄土」を取り上げ、その世界観をあらためてうかがいます。

基調講演には東京大学名誉教授の木村清孝先生を、パネルディスカッションには、天文学の第一人者・国立天文台台長の観山正見先生、ハイデッガー哲学の研究者である小野真先生、幅広い視野をもって真宗学を研究されている井上善幸先生をパネリストとしてお招きします。

仏教における仏国土とその世界観、天文学の視点からの宇宙観や、哲学的視点からみた世界観、そして真宗における浄土など、多角的な視点から浄土をうかがえるシンポジウムを企画しています。

また、浄土の世界観をうかがうことのできる立体的なプログラムも用意をしていますので、ぜひお越しいただき、ごいっしょに浄土とその世界観を味わっていただきたいと思います。

12月9日(火)に聞法(もんぼう)会館で開催いたします。

4 今後のシンポジウム

次年度以降も総合テーマ『現代に生きる親鸞聖人』のもと、各テーマに沿って、次のように企画しています。

第4回では習俗や文化として根付いてきた浄土真宗に焦点を当て、第5回では、いまここに生きている私にとって、浄土真宗はどのように受け止めていくことができるのかをうかがっていきます。

いよいよ大遠忌の年に開催されます第6回は、すでに世界に広がりつつある浄土真宗を、海外のお念仏者をお招きして、当事者の声を聞かせていただきます。

それぞれのシンポジウムは、講演録を「教学伝道研究センターブックレット」として随時刊行していきます。総合テーマ『現代に生きる親鸞聖人』のもと開催されたシンポジウム全6回を通して、宗祖が明らかにされた浄土真宗を、あらためてうかがうことができるでしょう。

講演録が刊行されますが、実際に来場されて初めて実感できることもあり、何より各分野の専門家から、直接聞かせていただき、質疑に応答していただけることは、大きな意味があるでしょう。

皆さまのご参加をお待ちしています。
教学シンポジウム記録・親鸞聖人の世界(第1回)
教学シンポジウム記録・
親鸞聖人の世界(第1回)
教学伝道研究センターブックレット

 

5 さいごに 宗門長期振興計画の一つとして企画された「教学シンポジウム」ですが、すべての計画の大きな礎(いしずえ)であり、重要な企画と言うべきではないかと考えます。

宗祖が示してくださいました、阿弥陀如来の救い「浄土真宗」を、現代に生きる私が明らかに聞かせていただくことが、浄土真宗の念仏者として何よりも大切なことは言うまでもありません。

それによってこそ、「新たな始まり」の一歩を踏み出していくことができるのです。

(教学伝道研究センター・本願寺教学伝道研究所)